もはや格闘技!? プロ野球「伝説の乱闘」10番勝負 (2/5ページ)

日刊大衆

二番手としてマウンドに上っていた宮下氏は、二死を取って打席に“巨人最強の助っ人”クロマティを迎える。「実は“行く”って決めてたんですよ。マウンドに上る前に、ガンちゃん(岩本好広)に“やったら助けてくれよ”って言ってありましたし。捕手の中村武志にもコソッと“ここで行くわ。頼むぞ”って言ったんですよ」(宮下氏)

■巨人最強の助っ人が怒りの右ストレート!  宮下氏が“行ってやる”と思うまでには、こんな伏線があった。「あのときの外国人選手は日本の野球を舐めていたんです。外国人同士で“ちょっとかませば、ビビってインコースに投げてこない”と話していたというのを、同じチームのゲーリー・レーシッチから聞いて。日本人を舐めるなよと」(宮下氏)

 そして宮下氏が投じた投球は狙い通りに、クロマティの背中に直撃する。するとクロマティは、宮下氏を睨みつけながら頭を指差し、“帽子を取れ”とジェスチャーしたのだ。「帽子なんか取らないですよ。たまたま当たったんなら謝りますけど、こっちは当てにいっているわけですから。謝ったら筋が通ってない」(宮下氏)

 この態度にクロマティは激昂し、マウンドに詰め寄る。だが、ここで宮下氏にいくつかの誤算が生じる。「中村が止めてくれなかったんですよ。捕手として出始めたばかりで、僕の言った意味が分からなかったんです。だってボールを捕りにいってましたから(笑)。そして最大の誤算は、クロマティが殴ってきたこと。それまで手を上げたことなかったから、威嚇するくらいで終わると思っていたんですけどね」(宮下氏)

 クロマティ怒りの右ストレートが宮下氏の顔面に炸裂。まるでボクシングのような迫力だった。「その後、クロマティとは和解しましたよ。僕もマウンドでは血走っていましたからね。でも、あのときの野球は楽しかったなぁ」 宮下氏にとっては、意地の乱闘だったのだ。

■西武ライオンズ東尾修は何発ものパンチを浴び…  右ストレートといえば、86年6月13日の西武-近鉄戦でのリチャード・デービスvs東尾修も忘れてはならない。この試合に近鉄の6番打者として出場していた金村義明氏に話を聞いた。「東尾さんは、わざと当てるので有名でしたからね。

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