歌川国芳や広重など人気浮世絵師による、秋にぴったりな「月」の浮世絵名作選 (3/5ページ)
左上の句は、「こむな夜か 又も有うか 月と雁」ーこんな夜が またと来るだろうか、いや、来るまいー。広重のため息が聞こえるようです。それほどに美しい、忘れえぬ夜だったのでしょう。
歌川国貞「美人に寄り添う月」国貞が描く月は、その下に息づく美人に寄り添い、引き立てるための月。さすがは「美人画の国貞」です。
歌川国貞「美人八景 三俣の秋の月」
電気のない江戸時代、月は大切な光源のひとつでした。月のさやかな夜、美人が恋しい人からの手紙を格子越しの月明かりに照らして読んでいます。そのまなざしは張りつめているようにも、喜びを噛み殺しているようにも思えます。
歌川国貞(三代豊国)「見立月づくし れんじの月」ボストン美術館
こちらも手紙を読んでいる模様。連子越しの月の静けさが、華やかな着物や美人の表情を引き立てます。