法事の服装マナーは? 失礼のない基本の身だしなみ

フレッシャーズ

法事の服装マナー

社会人になると、法事・法要に参加する機会が増えるものです。お通夜・お葬式からは日数が過ぎていますが、どんな服装で行けばいいのかわからない人もいらっしゃるかもしれませんね。今回は、法事に出席する際の服装マナーをご紹介します。


■法事は回を重ねるごとに簡略化されていく

法事・法要とは、故人の冥福を祈り供養するために命日に行う行事です。仏教では亡くなった翌年の「一周忌」以降の決められた年度に行う法要を「年忌(ねんき)法要」といいます。満2年目の「三回忌」までは友人・知人などを招いて行われますが、満6年目の「七回忌」以降は規模も縮小されていきます。それに伴って服装も正式な喪服から簡略化されるのです。

■法事に出席する際の服装は略礼服で

一般的に、一周忌の法事までは喪服を着用します。まず礼服とは、冠婚葬祭等の儀式のときに着る服のことで「フォーマルウエア」といいます。礼服は格式で分けられており、正礼装、準礼装、略礼装、平服と区別されます。この礼服の中で、葬儀や法事等に出席するための服が「喪服」です。喪服は格式によって正喪服、準喪服(ブラックスーツ)、略式喪服(ダークスーツ)というように区別されます。

法事に出席するとしても、故人の遺族なのか、友人・知人なのかでどういった服装がふさわしいかも変わってきます。

●故人の遺族の場合

遺族の場合、三回忌までは喪服で参加するのが一般的です。一般的な礼服であるブラックスーツ、白いワイシャツ、黒いネクタイ・靴下・靴という組み合わせです。スーツはシングルでもダブルでも構いません。

女性の場合は黒無地のスーツやワンピースが基本です。ストッキングや靴は黒いものを選びましょう。ノースリーブやミニスカートなど、肌の露出が多いものはふさわしくありません。

七回忌以降の法事では略式喪服、喪服でなくても地味な色の服装でも構いません。死後年月を重ねるうち、法事の規模も小さくなり、服装も簡略なものになっていきます。

●故人の友人・知人の場合

故人が身内ではなく、友人・知人といった関係の場合、遺族よりもさらに下の服装でもいいということになります。一周忌以降の年忌法要では略式礼服、あるいは目立たない服装であれば構いません。ブラックスーツ、ダークスーツを選びましょう。ワイシャツは白、ネクタイ、靴下、靴は黒のものを選べば間違いないでしょう。

女性の場合は黒、濃紺、グレーなどのスーツ、ワンピースを着用します。略礼服であればブラウスは白でも構わないのですが、黒、濃紺、グレーのものがあるならば、そちらの方が間違いないでしょう。

迷うのは施主(せしゅ)から「平服でお越しください」と言われた場合です。「平服でいい」と言われたからといって、カジュアルな服装で出掛けてはいけません。この場合でも法事には略礼服を着ていくのが無難です。

一般的に、友人・知人が法事に招かれるのは死後満2年のタイミングで行われる三回忌までで、それ以降も招かれることはまれだと言えます。七回忌以降にも招かれた場合、地味なものであれば平服でも構わないでしょう。

■法事は黒いビジネススーツではダメなのか?

あまりスーツに詳しくない人は「法事の服装は黒いスーツならなんでもいいのではないか」と考えてしまうかもしれません。結論からいうと、それは間違いです。

スーツとは、共布(ともぎれ)で作った上下一そろいの洋服です。礼服は「冠婚葬祭の際に着るスーツ」、喪服は「葬儀等で着る礼服」という関係にあります。礼服とビジネススーツでは着るシーンが異なり、生地も全く異なるのです。具体的には、礼服は光を反射しないように作られており、いつどこで見ても深い黒なのですが、普通の「黒スーツ」は光を反射するため、喪服を着た人の中に入るとグレーに見えてしまったりします。

自分ではよくわからなくても、見る人が見ればはっきりわかります。冠婚葬祭では、そうしたマナーが身に付いていないと恥をかくことがあります。礼服・喪服を着ていくべきシーンには、横着をせずにきちんとした服装で出掛けましょう。

法事の服装について解説しました。いくら親しい友人の法事で「平服でいいよ」と言われたとしても、法事は法事です。あまりカジュアルな格好で出席すると、悪目立ちしてしまって恥ずかしい思いをすることになります。法事という場にふさわしい服装で参加するのが、社会人として必要なマナーなのではないでしょうか。

(藤野晶@dcp)

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