【プロ野球】4年ぶりに決戦の舞台に帰ってきた西武。正攻法から秘策まで、硬軟交えた戦略でCSを突破せよ! (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■秘策で横綱から金星を!

 楽天に勝つと、ソフトバンクの本拠地・ヤフオク!ドームに乗り込んでファイナルステージへ突入。今季も9勝16敗と、大きく負け越したたソフトバンクを相手に下克上を成し遂げるには、投打とも秘策に打って出る必要がある。

■打撃陣
 今季の西武打撃陣の楽天戦での成績は打率.271、28本塁打、130得点。一方、ソフトバンク戦は打率.253、27本塁打、103得点。打率と打点でこれだけの差があるのは、もはや鷹アレルギーとしか思えない。

 そんななかでも、ソフトバンク戦で打率3割をキープしている秋山はさすがのひと言。新4番に定着した山川も、打率.326、4本塁打、11打点とまだ苦手意識がないはずので、まずはこの2人で確実に点を取ることが肝要になる。

 カギになるのは秋山と山川の間に入る3番打者だ。シーズン通りでは浅村だが、ソフトバンク戦は打率.232と低調なだけに、そのまま打席に入らせては相手の思うツボ。浅村はキャプテンではあるが、ここは心を鬼にして打順の組み換えを敢行したい。

 そこで浅村の代わりとして3番で起用したい選手には、意外なところで外崎を挙げたい。外崎のソフトバンク戦の打率は.241で浅村とほぼ同等。また、外崎、浅村ともに3本塁打を放っている。一発の魅力も減らず、なおかつ外崎には足があるので、2番・源田壮亮との快速コンビでかき回すという戦略だ。

 藁をもつかむ思い……という感は否めないが、ソフトバンクはいわば絶対的な横綱。正攻法でガチンコ勝負を挑むには分が悪すぎるので、なんとかしてソフトバンクの足をすくう光明を見出したい。

■投手陣
 ファイナルステージは10月18日から始まる。ファーストステージで西武が楽天を2勝0敗で退けたと仮定して西武の先発を予想したい。

 順当なら、まずは野上亮磨、多和田真三郎、ウルフが登板するはずだ。ストレート負けを逃れ4戦目までいったら、4戦目、5戦目には菊池雄星と十亀剣が中6日で登板できる。最終の6戦目までもつれた場合には、まずは高橋光成か岡本洋介を立てて、総力戦だろう。

 ただ、基本的はこの陣容で今シーズンを戦い、ソフトバンク戦は7つの借金を背負ったので、素直に送り出すだけでは飲み込まれての終戦が関の山。そこでなんとか勝ち筋をひねり出す必要があるのだが、ヒントは辻発彦監督の現役時代にあると見る。

 西武黄金期にあたる森祇晶監督時代の日本シリーズは、初戦はデータ収集に使い、2戦目からガチンコという策を取った。日本シリーズとは違い、CSのファイナルステージには優勝チームに1勝のアドバンテージがあるため、綱渡り感はものすごく高いが、かつてを知る辻発彦監督だけにぜひとも「初戦はデータ収集」を実践してもらいたい。

 そのために初戦の先発として白羽の矢を立てたいのが、左腕の佐野泰雄。6月17日の中日戦で先発して以来、先発はおろか1軍ですら投げていないが、今季のソフトバンク戦は1戦1勝。4失点してもチームに白星をつけた勝ち運の持ち主だけに、あわやのシーンも期待できる。

 勝てば儲けもの、負けても次に生かせばいい。CSはある意味で敗者復活戦なのだから、一度負けたものの強みを存分に使うべきだ。

■チームが変わった今こそが好機

 ちなみにソフトバンクは、リーグ優勝決定後に柳田悠岐が故障。柳田不在となった9月21日以降の10試合は4勝6敗と、明らかに本調子ではない。

 先のことばかり考えると足元がおろそかになるので、まずはファーストステージに集中することが大事だが、「このチャンスを生かさずしていつ勝ち上がる」というここ数年の状況でもある。

 2010年しかり、2012年、2013年しかり、西武はどちらかというと下克上される側だった。しかし、今こそそんな暗い過去と決別するとき。Bクラスに低迷していた古巣を立て直した辻監督なら、もうひとつの大仕事もやってくれるだろう。そう期待して、朗報を待ちたい。

(データは10月10日現在)

文=森田真悟(もりた・しんご)

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