相続税や贈与税を脱税したらどうなるの?マルサやリョウチョウって何?

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相続税や贈与税を脱税したらどうなるの?マルサやリョウチョウって何?

故伊丹十三監督が撮影された映画「マルサの女」について、知っている方は映画好きな方なのではないかと思われる。内容については、マルサ即ち国税局査察部の活動を追ったものだったが、マルサそのものについて知っている方は、映画と比較してもそれ程多くはないのかもしれない。更に、ある意味マルサよりも怖いリョウチョウについて、知っている方はどれ位居るのだろうか。

■終活と相続税・贈与税とマルサ・リョウチョウ

終活を進めていくと、必ず相続税・贈与税という大きな壁に当たる。対策を怠ると税務調査の対象となるばかりか、状況によってはマルサやリョウチョウが出てくる可能性も無きにしもあらず。というわけで、今回はマルサ並びにリョウチョウについて綴ってみたい。

■マルサとは?

マルサとは、国税局査察部のことである。東京・大阪・名古屋の国税局に設置されていて、国税犯則取締法に準拠して脱税事件(犯罪)を調査し、犯罪に該当するものと判断した場合には、検察庁に告発する組織だ。脱税額が1億円を超え、かつ、悪質であると判断された場合に強制調査を執行できる。当然、地方裁判所の令状も所持しているため、強制調査を拒否することは不可能で、帳簿等の資料を差し押さえ、銀行の口座取引の閲覧も自由にできる(通常は銀行法により自由な閲覧はできない)権限を持っている。

■リョウチョウとは?

リョウチョウとは、国税局資料調査課のことである。各都道府県の国税局に設置されていて、国税通則法に規定される質問検査権に準拠し、脱税事件(犯罪)には該当しないが、脱税額が1億円を超え、悪質な脱税行為があると判断した場合、地方裁判所の令状無しで調査を執行できる組織だ。前述のマルサより怖いという意味だが、令状無しというのが重要なポイントだ。つまり、突然何の前触れもなく調査官が大人数で来訪し、金庫を始めとした調査対象を非常に強引な手口で調査することなのだ。噂の域を出ないが、金庫を倒して中の物を無理やり出したうえで調査を続行したとか、金属探知機を利用して庭を掘り、隠された資料を探した等の話しを聞いたことがある。

■場合によっては刑事事件として懲役刑になる可能性もある!

何れにせよ、相続税・贈与税の納税者から見た場合、強制調査を執行されることには変わりはない。ただ、刑事事件として告発され、起訴されれば即時実刑となるマルサに対して、重加算税等の罰金を課すことで何とか収めて貰える可能性が高いリョウチョウと言った具合に、対応に若干の違いがある。更に、脱税額が1億円を超える場合に対応する組織のため、殆どの納税者には無関係と言えるかもしれない。

しかしながら、脱税そのものは大きなペナルティを伴う重大な犯罪行為だ。行為自体も必ず発見されてしまう。そうなっては手遅れであるし、親族の内の誰かが犯罪者のレッテルを張られてしまうことになりかねない。そうならないよう、健全な終活を目指すよう強く願うものである。

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