“がん化”する前にすぐに対処 大腸ポリープ治療の最新事情 (2/3ページ)
1時間ぐらいで終わったと言ってましたし、痛みはまったく感じませんでした。その後の病理検査でポリープは最大2センチあり、がんは見つからなかったそうです。当初はショックでしたが、将来がん化する可能性のポリープをすべて取れて安心しました」
大腸がんで亡くなる人は年間約5万人。これは、肺がんの約7万人に次ぎ二番目となっている。その多くはポリープから始まるもので、11の医療機関が参加して6000個以上のポリープを調べた大規模臨床研究によると、5ミリ以下0.2%、6〜9ミリは3.1%、10ミリ以上は31.4%からがんが見つかったという。
「つまり、大きくなるに従いがん化している可能性が高いということです。そのため、ポリープが見つかった場合は、一定の大きさ以上は予防のため切除することになる。ポリープの茎部分にワイヤーをかけて焼き切る手法が主流で、茎がない平らな場合は、粘膜の下層に生理食塩水などを注射して盛り上げ、同じように切り取ります。ただし、この方法は、血管が通る層に熱が伝わってやけどが広がり、切除の数日後に出血や大腸に穴が開く合併症の恐れもある。一方、熱を使わない新手法は、そのリスクを抑え、治療時間も短いのが利点と言えます」(前出・内浦氏)
「コールドポリペクトミー」は欧米で広がり、日本では器具が承認された'13年から急速に普及した。ガイドラインは定められていないが、大きさは「10ミリ未満の良性腺腫」が一般的なのだという。
都内の胃腸消化器クリニック医師はこう話す。
「新しい方法は、近い将来には小さなポリープ切除の標準的なものになるでしょう。しかし、ポリープの下層にがんが浸潤している場合もありえます。取り残しても熱でがんが壊死しやすい従来の方法と比べ、新手法はそのままがんが残ってしまう恐れもあります。ですから、拡大内視鏡などで十分な治療前診断をしっかりとおこなう必要があります」
日本消化器病学会のガイドラインでは、6ミリ以上のポリープの場合の切除を推奨している(がんの疑いがある物や進行が早い陥凹型は5ミリ以下でも切除)。
「ただし、発見されるポリープは約半分以上が6ミリ未満のものとされ、多く見つかるほど再発やがん化のリスクは高まると言われています。