ドリフト競技って、どんなスポーツ?観戦の仕方やおすすめ車種も紹介!
9月末に東京・お台場で世界選手権格式の大会が開催されるなど、今大変な盛り上がりを見せているドリフト競技。ドリフトという言葉を漫画やインターネットで見たことはあるけれど、どんなものなのかよくわからない…という方のために、ここではドリフトの基本を解説。また、ドリフトに適したクルマも紹介していきます。それではさっそく、ドリフトの世界を覗いてみることにしましょう。
目次
ドリフトって何? ドリフト競技は、何を競うの? ドリフト競技には、どんな歴史がある? ドリフトをしてみたい!どうすればできる? ドリフトするならコレ、初心者向けおすすめドリ車3選! 観てよし、走ってよし、ドリフトを楽しもう! ■ドリフトって何?ドリフトとはクルマの操縦テクニックのひとつで、後輪や全輪を滑らせながら走らせることをいいます。もともとはラリーなどでタイムロスを避けるために用いられていたものですが、近年ではその走りのダイナミックさからパフォーマンス的要素が高まってきており、全国各地でドリフトの大会が行われるまでになりました。スピン寸前というクルマの限界領域でのコントロールが常に求められるので、クルマの動きを熟知した者だけができる高等難度の技術といえるでしょう。
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■ドリフト競技は、何を競うの?ドリフトとはどういうものなのかは、前項の説明である程度イメージできたのではないかと思います。では、ドリフト競技ではいったい何を競うのでしょうか。これはひとことでいうならば「走りの美しさ」に集約されるでしょう。ドリフト競技はスピードを計測するものも一部存在しますが、大半はフィギュアスケートのような「審査競技」に属しています。フィギュアスケートはスピードスケートなどと違い、技の完成度を競うものです。ドリフト競技もこれと同じで、ドリフトの完成度を数値化して順位が決まっていく仕組みになっています。そのポイントは「飛距離」「角度」「滞空時間」の3つ。いかにクルマの角度をつけ、長い時間ドリフトを維持できるかが勝負の分かれ目となるのです。
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■ドリフト競技には、どんな歴史がある?ドリフト自体は目新しいテクニックではありませんが、競技として始められたのはここ25年くらいのことです。1990年代、チューニング雑誌の『CARBOY』や『オプション』が主催する「CARBOYドリコン(ドリフトコンテスト)」「いか天(いかす走り屋チーム天国)」などがドリフト競技の原点だといわれています。そう、ドリフト競技とは日本が生み出したものだったのです。ただ当時は現在ほどルールが明確になっていたわけではなく、審査基準もあいまいなものが多く存在しました。 2000年代に入ると「全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)」が誕生。そのほかにも「フォーミュラD」などが登場し、ドリフト競技は一気にメジャーなカテゴリーとして認知されるようになりました。そして2017年には「FIA インターコンチネンタルドリフティングカップ(IDC)」と呼ばれる世界選手権が開催。ドリフト競技は、モータースポーツの新しいムーブメントとなったのです。
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■ドリフトをしてみたい!どうすればできる?高等テクニックと前述しましたが、ドリフトはコツさえつかんでしまえばさほど難しいものではありません。ただし、いくつか条件があります。それは以下のとおりです。 ①FR(後輪駆動車)であること ②クルマにある程度パワーがあること ③LSD(差動制限装置)がクルマに付いていること もちろんFF(前輪駆動車)や4WDでもドリフトは可能ですが、FRよりもはるかに難しくなります。初心者はFRを迷わず選びましょう。LSDは、ドリフトには必須ともいえるアイテムです。左右のタイヤの回転差がなくなり、クルマのコントロール性が上がります。 それではどうやればドリフトはできるのかということですが、ここでは初歩的な「サイドドリフト」の説明をしましょう。 ①40km/h程度で走りながら、ステアリングを曲げたい方向へ切る。クラッチを切ると同時にサイドブレーキを引き、後輪のスライドを誘発する。 ②後輪が滑り出したらサイドブレーキを戻してクラッチを繋ぎ、アクセルを踏んでスライドコントロールしながらコーナーを脱出する。 文字ではイメージしづらいところもあるかもしれませんが、基本はこのような感じです。ネットでは動画などもたくさんありますので、チェックしてみるといいでしょう。
次ページ ドリフトするならコレ、初心者向けおすすめドリ車3選!
■ドリフトするならコレ、初心者向けおすすめドリ車3選!それでは、実際にドリフトをするならどんなクルマがおすすめなのでしょうか。多くの種類がありますが、ここでは特に強くおすすめしたいベース車を3台ピックアップしてみました。ぜひ参考にしてみてください。
ドリ車といえば、やっぱりシルビア/180SX今も昔もドリ車の定番といえば、日産・シルビア/180SXです。このクルマの一番のポイントは、何といってもチューニングパーツが多くラインナップされているということ。自分のスキルに応じてクルマをつくることが可能なので、長く楽しむことができます。ボディ剛性は高いとはいえないので、まずはこのあたりのリフレッシュから始めるといいでしょう。
セダンボディで迫力のドリフト!マークⅡ3兄弟実用的でスポーツ走行にも適したクルマといえば、トヨタ・マークⅡ/チェイサー/クレスタなども人気があります。ノーマルの2.5リッターターボエンジンでも十分なパワーを発生するため、まずはエンジンには手を入れずに足周りのチューニングをしっかり行うことが肝心です。重いボディを手なずけた時の達成感は、何にも代えがたいものといえます。
想定外マシン?注目度満点のBMW・3シリーズ国産のFRが少なくなっていく中、今注目が集まっているのが輸入車のFR。とりわけ人気があるのが、BMW・3シリーズです。もちろん国産車に比べるとチューニングパーツは少ないですが、それだけにギャラリーの注目度は抜群。おすすめは3代目のE36型や4代目のE46型で、優れたハンドリング特性や重量配分から爽快なドリフトが楽しめます。
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■観てよし、走ってよし、ドリフトを楽しもう!ここまでドリフトの歴史やテクニック、おすすめ車種などを挙げてきました。たしかに一筋縄ではいかない難しい運転技術ですが、覚えておけばいざという時の危険回避も可能ですし、何よりも自分がクルマを思うようにコントロールできるということは自信にもつながります。たとえその領域にまで到達できなくても、クルマを操る楽しみは十分に味わうことができるのは魅力といえるでしょう。そしてもちろんドリフトは目や耳で楽しめるものですので、ぜひサーキットでその迫力を感じてみてはいかがでしょうか。きっと、クルマの新たな魅力が発見できるかもしれません。