関節が太くなる?指の関節を“ポキポキ”と音を鳴らすリスク
ついつい癖で、指の関節をポキポキと鳴らしてしまう人がいらっしゃいますよね。
なぜ音が鳴るのか?関節が太くならないのか?など疑問も多いと思います。
今回は、関節の音がなる仕組み、関節の音を鳴らすリスクを医師に解説してもらいました。
関節がポキポキと音がなる理由
クラッキング
関節を鳴らす動作をクラッキングと言います。
全身の多くの関節が動かす際に音を発しますが、例えばケンカの前に相手を威嚇する場面で見られるように、指をポキポキ鳴らす行為でしょう。
関節がポキポキと音がなる仕組み
■ 指の関節
骨を包み込む袋状の構造があり、中には潤滑剤として働く粘り気のある液体が入っています。
指がポキッと音を立てるまで引っ張った様子をMRIで撮影した実験によると、袋の体積が急に増えることで気体を含む空洞が生じ、これが音の発生につながっているとされています。気体は再度吸収されて消えていきます。
■ 顎の関節
口を開閉すると同時に顎の関節がカクカク、コキコキと鳴る人もいます。これは顎関節のクッションをしている関節円板という軟骨がずれ、そこに骨の端が引っかかって鳴る音と言われており、音が鳴る場合は顎関節症が生じている可能性があります。
■ 首や背骨の関節
首や背骨が鳴ることもありますが、これらの骨の関節は、指の関節とは異なり、潤滑液はあまりなく、骨の周りを靭帯が囲んでいるような状態となっているため、音が鳴る仕組みとしてはまた別の原理があるのかもしれません。
関節をポキポキ鳴らすと関節が太くなる?

関節を鳴らすと骨や軟骨がすり減り炎症を起こし、それが治る過程で骨が太くなるのではないかと懸念されています。
本当に指を鳴らすと関節が太くなるのか、一日何回やれば何年でどの程度太くなるのかは、これを直接調べるために行われた研究がないため不明です。
体験談レベルでは「太くなった」という人と「別に太くなっていない」という人の両方がいるようです。
アメリカで50年に渡り、左手を一日2回以上ポキポキ鳴らし続け、右手は鳴らさないということを続けた人がいます。この人の場合は、関節炎を起こすこともなく、外見上も左右の差はなかったとのことです。
その業績を称えられ、2009年のイグノーベル賞医学賞を受賞しています。
関節をポキポキ日常的に鳴らすリスク
関節をポキポキ鳴らすのが癖になってしまう原因として、なんとなく爽快感や達成感があるためではないかと思われます。
実験的に立証されたわけではありませんが、骨・軟骨・靭帯に強い力をかけ続ければ、靭帯がゆるんで関節が不安定になったり、骨や軟骨の損傷・変形を招く可能性もない訳ではありません。
日常的に鳴らす癖はできるだけなくしたほうが良いと思われます。
関節がポキポキならないようにするには?

急激に関節を曲げ伸ばしする動作はせず、ストレッチなどはゆっくりと行うようにします。ストレッチは音が鳴らない範囲で行うようにしたほうが無難でしょう。
最後に医師から一言

関節を鳴らすことがどの程度の害であるかは医学的にはっきりしていませんが、鳴らすことによる利益が(心理的爽快感以外に)ないのは確実であると思われます。
(監修:Doctors Me 医師)
参考文献
・Kawchuk GNら PLoS One 2015. Real-Time Visualization of Joint Cavitation
・Unger DL Arthritis Rheumatism 1998. Does knuckle cracking lead to arthritis of the fingers?