中性子星の衝突により5度目の重力波を検出、発生源を初めてピンポイントで特定 (2/4ページ)

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 今回の観測にはおよそ70もの地上および宇宙空間に設置された天文台がLIGOとVirgoに加わり、レンズ状銀河「NGC 4993」の右隣にあるうみへび座内の狭い領域を調査した。

 最初の検出器が反応したのは日本時間で8月17日21時41分のことだ。

 その1.7秒後、NASAフェルミガンマ線宇宙望遠鏡とESAインテグラルが強いガンマ線バーストを同じ空で検出した。

 だが、その”さえずり”はこれまでとは違った。それは音声データに変換された波なのだが、ブラックホールの衝突の場合はほんの一瞬しか続かない。

 ところがGW170817の場合は100秒近くも続いた。世界中の科学者が大慌てでうみへび座へ望遠鏡を向け、中性子星であるらしいことが判明した。

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 中性子星は超大質量星がその一生の最後のサイクルで見せる姿だ。超大質量星の核が崩壊すると陽子と電子が圧縮され、中性子とニュートリノに変わる。

 ニュートリノはそこから逃げ出すが、中性子は10~20キロの直径の核にとんでもない密度で詰め込まれる。もしこの核が太陽質量のおよそ3倍未満であれば、この密度によって生じる圧力が崩壊を防ぎ、中性子星となる。しかしそれより大きくなると崩壊し、ブラックホールになる。

 GW170817の2つの中性子星は太陽質量の1.1倍と1.6倍程度で、約300キロの距離のところを内側へ向かう螺旋軌道を描きながらお互いに周回。両者の速度が高まるにつれて、周囲の時空が歪み、宇宙へ向けて波紋を広めていった。
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