墓石を次々と飲み込んでいく。墓を食べる木(アメリカ)
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米バージニア州アーリントンにある国立墓地には1864年以降の戦争で亡くなったおよそ40万人のアメリカ軍人が埋葬されている。
その墓地は青々とした芝生に立ち並ぶ白い大理石の墓石に、8,600本以上もの雄大な木々が影を落とすという見事な景観でも知られる。
しかし、そこの古い墓地の一角では困ったことが起きている。なんと敷地内の一部の木が、そばにある墓石を食らうがごとく包み込み始めてるのだ。
・音もなく兵士たちの墓石を食らう樹木
この墓地の古い一角では、一部の変質した木が近隣の墓石を平らげつつある。それが進行すると、分厚い大理石の墓石も、ずんぐりした臼歯のように木の根元から突き出た状態になってしまう。
アメリカにはこうした墓石をチェックチェックしているサイトもあるが、墓地で木に包まれる墓石の大半はその古さにも比例するため、南北戦争や第一次および第二次世界大戦で戦死した兵士の墓が多い。・じりじりと飲み込まれる墓石たち
1. 右にあるのは1863年7月に亡くなった兵士の墓石。年に3cmずつ広がるウイローオーク(ヤナギバナラ)の根に埋まり、文字も見えなくなってきているという。
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image credit:Elliot Carter
2. 木の右側にある名前が不明な兵士の墓もかなり食われている
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3. 近くで見るとこんな感じだ
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4. 完全包囲された墓石も
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5. 墓石を食うウイローオークのうちの1本
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image credit:Elliot Carter
6. もう角しか見えなくなっているものもある
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image credit:Elliot Carter
・次々吸収される墓石。その行きつく先は?
しかも樹木による墓石の吸収は、最初に発見された時よりも急速に進んでいるという。この調子でいくと、こういう木のそばの墓石は年を追うごとに食われていって存在すらわからなくなるかもしれない。
この木の寿命が尽きたとき、こうした墓石はどのように扱われるのだろう?樹木の専門家がチェーンソーを振るい、固い木の中から失われた墓石を切り出すことになるのだろうか。
via:atlasobscuraなど / translated by D/ edited by parumo
もしかしたらじわじわと墓石を取り込んでいた木のほうも「やべ!バレちまった」なんて思っているかもしれない。
人間とは違うペース、違う仕組みで生きてる植物たちにはこんな風に驚かされることが多々あるが、一部では知性を持つともいわれる彼らには人間には感知できない能力があるんじゃないか?なんて思う今日この頃だ。
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