■小池百合子の次の手は？

　だいぶミソが付いたとはいえ、風を読む力と勝負勘だけで政界を生きてきた小池都知事。今後の展開をシミュレーションしてみると、

1　希望の党大健闘（120議席超獲得）の場合
　　結果を見てからの首班指名で、自民党か公明党に手を突っ込む。過半数や三分の二を獲得するキャスティングヴォートを握ることで、小池都知事は次の次の首相の座を狙う。

2　希望の党まあまあ健闘（80〜100議席獲得）の場合
　　与党の状態によるが、どこかと何らかの連立を図る。しかし節を曲げに曲げて集まった希望の党だけに、どこと組もうが＜野合＞批判は起こり、党内の足並みは乱れていくだろう。

3　希望の党大惨敗（現有57議席前後）の場合
　　責任論が噴出し、小池都知事は希望の党の代表を辞任して都知事に専念。ほとんどが元民進党であろう議員たちは、民進党残党や立憲民主党との連携や再集合を模索し、実質的に民進党が復活する。

　いま可能性が高いのは3、次いで2のケースであり、健全な野党の誕生を心待ちにしている国民にとって、何もいいことは無い。

　また、これ以上なく都政を破壊し、都民を愚弄してきた小池都知事には、都政でも誰もついて来ないだろう。＜都民ファーストの会＞からは離脱者が続出し、都議会自民党の草刈り場となるはず。さらに正常な都政運営能力の無い小池都知事はリコールの対象になり、オリンピックの準備や豊洲への市場移転などはさらに遅れ、乱れる。都機能はストップし、世界的な恥をさらすことに……。

　都議会のドン（注3）、石原慎太郎元都知事（85）、安倍晋三首相（63）、民進党左派……誰かを敵に仕立てては、メディアと一体化して攻撃。正義の味方ポジションを得ることで人気を上げてきた小池都知事だけに、この窮地を逃れるため、新たな攻撃対象を模索中かもしれない。

「東急ハンズにもニトリにも、いろんなものが売っていますが、ちょっと足りないのが＜希望＞」（選挙直前、町田での小池都知事の演説）

　対象が……ち〜が〜う〜だろぉーーーーッ（豊田真由子氏（43）風に）

（注1）与党の優勢　自民党の単独過半数、公明党と合わせて300議席前後の予想がほとんど。
（注2）立憲民主党…何やら判官贔屓の対象になっているが、顔ぶれは3.11で日本を未曽有の危機に追いやった民主党・管直人内閣と同じ。
（注3）都議会のドン…内田茂氏。

著者プロフィール

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック＆プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ