芸能界に今でも転がっている夢と希望とジャニー喜多川さんの誕生日|平本淳也のジャニーズ社会学

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Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 プロダクションの幹部には、フェラーリやランボギーニ、ポルシェやアストンマーチンなどスーパーカーを所有する人が多くなった。高級外車は昔から多いが、スーパーカーのバリエーションが増えたことで、ここ数年はその彩も鮮やかになっている。

 高級外車の代名詞だったベンツやBMWは芸能界では大衆車として足替わりでしかないレベルだ。またタレントの送迎によく使われている移動車がトヨタのヴェルファイヤとアルファードである。こちらも高級ワゴンで世界中に人気がある車種で特にジャニーズはこれで鉄板だ。

 成功者の証とも表現できるこれらの産物は一部の人間にしか手にできないものだが、芸能界は多過ぎるくらい該当者がいる。つまり、いわゆる「成功者」が多く集まっている業界でもあるということだ。有名になってお金持ちになりたいと、そんな希望を持って挑んだ結果に得られるステータスだ。

 一方、IT長者という言葉も生んだデジタルの業界は技術が進み普及も広くなったことでその報酬も下降気味だが、エンターテイメントの業界は下降しない。政治や景気にも無関心なほど別世界で推移を上げてきた。中居正広の貯金が100億円(?)というネタが話題になるくらい芸能界は稼げる、金持ちといった印象になる。

 ジャニーズのギャラ事情で言えば、これまた業界でもトップクラスだ。というよりトップ独走でしょう。中居をはじめ、元SMAPのメンバーや露出が多いTOKIOやV6に世界一(のギネス記録を持つ)のKinKi Kids、さらには観客動員数日本一の関ジャニ∞のほか、NEWSにKAT-TUNらの多くは億越えの収入である。億どころか数億円といったほうが正しい。

 フラッグシップの中居に至っては10億円とも言われる高額年俸で次点の木村に倍の差をつけているが、それでも1億円から5億円程度の年収を軽く稼ぐジャニーズのタレントたち。もはやジャンボ宝くじの1等が毎月やってくる感じだろう。プロ野球で言えば福岡ソフトバンク・ホークスのレベルか。とはいえホークスはチーム年棒の平均が6000万円くらいで、日本プロ野球界1位だが、ジャニーズはこれに匹敵するし、1軍だけの年棒計算なら人数も平均もジャニーズが上回るだろう。

 同じエンタ―テイメントの業界ではどうだろう。基本給が「最低賃金」と言われ続けてきた夢の世界「東京ディズニーランド&シー」とその界隈では、同じ夢でも見どころが大きく異なるようだ。カネばかりが夢ではなく、夢は夢、覚めてはならないのがディズニー流だ。どっちも好きだが、ディズニー系ではなかなか食えないので大変だ。

 ジャニーズを辞めてディズニー(テーマパーク)ダンサーに転身する人物も少くないが、交通の便や時間、賃金安でどうしても続けることが困難だという壁にぶち当たる。まだ20代前半なら良いが30近くなっても時給1000円ちょいで往復3時間かかるような環境は一生の仕事ではないと気付いていく。ダンサーを目指してディズニーを志願する人は結構多いが、魅力は感じるものの現実を考えたら難しいのにあの子たち、みんなエライよ。

 今ではすっかり具現化された芸能界も夢の世界で夢のままだった時期も長くあり、ジャニーズでは光GENJIまでだろう。つまりキラキラ王子様は銭金言わないし、その存在も知らない。「白馬と剣」があれば世界を変えられる……みたいな。なので、ギャラが「馬(サラブレッド)」だったフォーブスの北公次さんの例をとってもそれが現実だった。

 SMAPが国民的になってからジャニーズも変わった。光GENJIや男闘呼組に忍者あたりまでは決して高額な報酬とは言えなかったし、また諸星に至っては車があればそれで満足的なスタイルで、このためだけに働いたというスーパーカー「ケーニッヒやカウンタック」を広く露出していた。

アイドル=スーパーカーの先駆けとも言えるのは諸星より先駆者のトシちゃんだろう。つい最近も「美女とポルシェ」と題された記事をみかけたが、田原俊彦はポルシェを武器と相棒にしている。ジャニーズ時代のトシちゃんは3,000万円台の報酬だったが、衣食住や車は別バラだったのでそこまで悪くはない待遇でしょう。目黒に豪邸も建てているし、わりとシッカリ者だったりする。

一方、同じ時期のマッチも3,000万円級でバイクやBMWなど手にしていた。この当時は、まだ80年台だが90年代にSMAPが発動し、歌番組からバラエティに場をシフトしたことによって生まれたエンターテイナー性が受けてジャニーズの全体業務の場も広がりを見せながら当然の報酬も格段と上がった。

タレントたちの収入に興味が広がったのは、浜崎あゆみや倉木麻衣といった歌姫たちが揃って年俸競演したのがキッカケだ。5億~10億という巨額な「給与」を稼ぐ彼女らの年収に日本中が驚いた。宇多田ヒカルに至ってはその倍近い収入と若さに関心が寄せられた。

まさにケタ違いだが、下を見てもモーニング娘。の派生ユニット「ミニモニ」の中学生2人も揃って3,000万円からの収入で、後に矢口は数億円もの貯蓄に至っていることが証明されるように「稼げる芸能界」が印象づけられた格好だ。しかしこの当時のジャニーズに至っては勝ち組にその名を並べることがなかった。

最も売れてるアイドルであり、観客動員数も世界一、そして誰でも知っている人気者なのに報酬が伴っていないと、、、 もはや「(ギャラが)馬(や車)」ではダメだと思ったジャニーズは、活動と活躍に見合った相当なる報酬を設定して還元した。業界トップなら長者番付もトップとベスト10くらいは制覇できるでしょう。しかし、そんな折、長者番付(1,000万円を超える所得)の公示義務がなくなってしまった。

長者番付の公示があれば間違いなく中居の10億円級がトップに来るだろう。というより、ジャニーさん、メリーさん、ジュリーさんと並んでトップは独占できたと思う。過去の最高は20億円の小室哲哉さんで、これには敵わないものの5億前後を推移するビッグスリー(たけし、タモリ、さんま)やとんねるず、ダウンタウンら大御所さんたちは大きく引き離しているに違いない。

多くの健全なる「環境」を手に入れてタレントたちにも還元しているからこそトップでいられることに証明されるが、夢や希望だけでは食っていけない業界の末端で蠢いている人たちにとってみたら、やはりそれは「夢」でしかない。そう考えたら新SMAPたちも、またこれまでジャニーズにいた人たちも大きな夢を掴んでいる事実は変わりなくあるわけで、ジャニーズから得られた多くの利益がタレントの質をも形成している。

 ジャニーズで良かったし、ジャニーズだったから今がある。そんな僕のところには夢を持つ「大人」のタレント志望も多くいらっしゃるが、その半数は「仕事(定職)をしていて収入と時間に余裕がある」方で、出来れば「叶えられなかった夢を目指したい」と、若いころには厳しい環境だったので余裕が出てきた今、行動したいという真面な志願者だ。

 一方は、「ずっと目指し続けている」という中年者だ。バイトをしながら食い続けてチャンスを探しているという人。前者は歓迎できるが、後者には無理がある。長くやっていれば良いというわけでもなく、時間をかければ実力が伴う世界でもないし、いくらでもあるチャンスに気が付かず、また手にできない者には到底無理である。また生活が真面に出来ていない無責任な中高年は面倒も多く、約束一つ守れない輩も少なくないことから基本的にお断りしている。

 同じ夢を持った人間なのに一体何が異なってそう至ってしまったのか。芸能人も人間であり、国民市民という立場から労働や勤勉(教育)という義務の上になければならないゆえ、まず生活が出来ない環境から夢だけ見てられる性格に問題がある。きちんとした生活ベースのうえで持つ夢や目標なら良いが、生活がしたいがために芸能人を職に選択するのはオカシイだろう。

 それこそ宝くじを当てるようなもので、万に一つの確率に賭け続けながらダメになっていくというのは、ギャンブル依存と大して変わらないでしょう。しかし当てられる夢の現実性が宝くじより身近になっている分だけ挑戦者は後を止まない。特に「親」である。自分がダメなら子供に託す親は非常に多く「ジャニーズやAKBの入り方を教えてくれ」という質問便りもたくさんある。

 まあ、ジャニーズやAKBグループなら他のプロダクションより「入ったもん勝ち」感があるので、おススメはするが、相当の運という実力が必要でしょう。芸能界は、「カネ、コネ、カラダ」の「3K」相関で成り立つ代表的な業界だ。何もない状態から得られるとしたら運しかない。しかも業界トップへのコネクションなら第一等の運だ。ジャニーズに入れた人たち、そしてデビューして国民的な人気を得たメンバーたち、常人では決して触れる事が出来ない運を手に入れた。

 芸能界での生みの親と育ての親(共にジャニーさんであり、飯島さんではない)から離れたとき、果たして培った運はどこに向かうのか……ある種の研究的な材料としても面白いと思う。実力とか綺麗ごとは通用しないのが芸能界だからね。素人にはわからないかも知れないが、すべては「作られる」、つまりプロデュース(制作)されるのよ。

 そんな新しい地図も作られている。彼らの勢いは、ネットニュースを中心に駆け巡り、その名を捩って芸能界の古き仕来りや構図を変えようと言わんばかりに「攻撃的」な姿勢で次々とニュースを発信しているように世間を思わせているが、それはそれで必死だと思う。一見は余裕を見せているようにも感じられるが、そんなに甘くはなく、それこそ希望と野望で休むことなく突き進むしかないでしょう。

 初ネットに初コメンテーター等など「ジャニーズ外」で活動する彼らは何をするにも大ニュースだが、ファンの皆さんも少し落ち着いたようで、書き込まれるコメントやリツイートに勢いが多少なりとも弱くなってきたと同時に元メンバーと飯島さんへの愚痴や文句がかなり増えている。そんな場外バトルも盛んな両社だが、やはりテレビの影響は大きいようで、まだまだ認知度も低い新しい地図は早くも踏ん張りどころでしょう。

 ただ、慎吾のイベントスタイルや吾郎のコメンテーターなど、やはり画になるし素晴らしいね。特に吾郎こそ新しい業というか強みが必要なだけに、コメンテーターは新鮮だったし、東山の何十倍も喋れる吾郎の方がキャスター向きだったり、そんなキャラをもっと出してもらいたいと思った。MXも良い拾い物(失礼!)をしたものよね。

 そんな新しい地図だが、飯島さんの業は「被害者商法」で可哀そうな三人の行方が塞がれている感をファンにアピールして5億円の荒稼ぎというクダリも多く見られ、一方では新しい地図を潰そうと躍起になっているジャニーズ事務所という構成は全くないし、互いにどうでも良いでしょう。人が言うほどどちらも哀れみなどこれっぽっちも感じられない。

 戦国やヤクザの抗争じゃないんだから、そこで付けた勝敗が何の役に立つのかも不明でしょう。本当にバトルしていたら飯島さんは絶対に表に出てこないし、3人も大人しくしているよ。そんなチッポケな喧嘩をしていると思っている皆さんが面白い。逆に、実はすべてがジャニーズの掌にあって協力的な体制を組んでいたら面白いでしょう。裏で結託していたジャニーズと新しい地図は、ジャニーズの新しい戦略図だったり、すべて仕組まれていたら実に面白いし正に芸能界的である。

 国民的アイドルが解散してメンバーがバラバラになり、それぞれ活動していくとなった場合、果たしてどうなるのか? 経営陣が責め立てられた境遇から反骨支援するファンたちと後ろ盾をなくした中年タレントたちの行方……これこそ実録映画にすれば面白い。「クソ野郎と言えないホンネの芸能界」だ!! さらに「全部、言っちゃう」的なネットテレビで曝け出す!

 そんな中で今週(10月23日)、ジャニーさんは86歳の誕生日を迎えられた。同時に東山と木村佳乃の結婚記念日でもあった。まあ関係ないけど、ヒガシのキャスター(?)ぶりはスタッフもキャストも恐々って感じの空気が画面から伝わってくるので逆に面白いと思う。

 それにしてもヒガシは「チラ見」が多すぎるね。進行表とカンペを見過ぎだ。というよりカメラ抜きが上手くないが主役を写さないとマズイし、ヒガシの一生懸命に「確認(カンニング)」しなければならないので大変です。まぁそれも面白いが、一方少年隊の「同僚」の錦織一清はジャニーズで禁止されている筈のプライベート写真をツーショットで公開されるなど随分と緩くなっているが大丈夫か?? 裁判沙汰のネタ以外ニュースがない植草は生きているのかしら(^^; 

 そんな同期たちの活躍も含め、ジャニーズの魅力は語り切れないが、出てくるニュースにも限度がないので把握するのも大変だが、概ね正しいニュースの発信者は僕からです(笑) というより、言いたのは現役ジャニーズだろうが、元ジャニーズだろうが、みんなジャニーズファミリーであることは変わりなく、ときおり開かれるジャニーズの同窓会は新旧が入り混じって楽しく催しされている。

 敵も味方もなく、みんなジャニーズ……何年経ってもジャニーズ、先輩も後輩も同期もジャニーズ、集まれば何だかんだで仲良しジャニーズ……そんな事務所、他にないぞ! ジャニーさん、おめでとう!

 それはそうと僕は、宇宙関連の事業を立ち上げたのでジャニーズばっかり見ているワケにもいかない。ここらで、しばしのお別れを! 宇宙に興味のある方は連絡ください! ジャニーズよ、永遠であれ!!

著者プロフィール


ジャニーズ出身の作家

平本淳也(ひらもと・じゅんや)

ジャニーズ出身の作家で実業家。著書34冊のベストセラーを誇る売れっ子の物書きとして、テレビや雑誌など多くのメディアに記事やコメント提供。実業家としてはコンサルティング会社や芸能プロダクション、レコード会社などを運営し、タレントから起業家まで幅広い活動の支援を行っている。http://vjsv.com/

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