映画「一茶」制作過程で消えた3億円
江戸時代の俳人、小林一茶の知られざる半生を描く映画『一茶』が、来年公開される予定だったが、大口出資者の支援打ち切りで公開ができない見通しとなっていると夕刊紙で報じられた。
2016文化庁文化芸術振興基金助成作品として制作されるこの映画は、藤沢周平の小説『一茶』が原作。監督は、ドラマ『ナイフの行方』、『テンペスト』などを手掛けた吉村芳之が務め、『武士の献立』、『武士の家計簿』など時代劇を得意とする柏田道夫が脚本を手がけている。
主演の一茶を演じるのは、リリー・フランキーで、伊藤淳史、石橋蓮司、佐々木希、水川あさみ、中村玉緒といった出演者が名を連ねている。
「約3億円の出資を約束していた『財団法人日本機構』が問題を起こしたのです。支払われたのは当初の数千万円で、それから『以後、来月はまちがいなく払う』と繰り返し続け、ついに入金がなされず今日に至っているのです」(映画関係者)
理事長に名を連ねた議員は…
日本機構が当初の予算の3億円の支援を約束する文書(1月30日付)には、元民主党衆議院議員の加藤尚彦氏の名前が理事長として記載されているが、加藤氏は「まったく知らない」としている。これらの責任の所在の解明にも時間がかかりそうだ。
映画について松田貢エグゼクティブ・プロデューサーは「この映画を見て若者は一茶の生き様に衝撃を覚え、中年は困難な人生に前向きに生きることを再認識し、老年は自分の欲求の追及に自信を深めます。全ての人が感銘する映画になることを確信しております」と自信を見せていた。
「俳優やスタッフたちは、『なんとか金をかき集めて映画公開したい』として、クラウドファンディングなども提案しているようです。映画が公開されるように祈るばかりです」(映画ライター)
映画公開も“負けるな一茶、ここにあり”というところか。
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UU / PIXTA(ピクスタ)