北極圏の生態系に新仮説!? 巨大クラゲの撮影で新たな可能性 (1/2ページ)
北極海の分厚い氷の下には、どのような生物が生きているのだろうか?
最後のフロンティアともいわれる海の底で、カメラが巨大なクラゲの姿を捕らえた。
北極圏での姿が撮影されたクラゲは、“アカクラゲ”と呼ばれるクラゲで、それ自体は珍しい種ではない。鉢虫綱のヤナギクラゲ属に属しており、日本でも北海道以南に広く分布するクラゲである。
しかし、その姿が北極圏の氷の下で撮影されることは極めて珍しい。
この映像は海洋生物学者のアンディ・ジュール博士らによる調査チームが撮影したものだが、彼らは米アラスカ州最北部ユトクィアグヴィックからチュクチ海にいたる氷上をスノーモービルで駆け巡り、分厚い氷に穴をあけては潜水カメラを沈める地道な調査を繰り返したという。
これまでアカクラゲは、春から秋にかけての数カ月の寿命しか持たず、越冬期にはポリプ(固着生活に適した姿)の状態で過ごすと考えられてきた。しかし今回の調査により、成体のアカクラゲが北極海で生息していることが明らかになった。
ジュール博士によると、北極海の海氷下がヤナギクラゲ属の越冬に適した環境である可能性があるという。その理由は、極低温の海がクラゲの代謝を低下させ、エサの少ない環境でも越冬できる状況を与えるからだ。
