月9ドラマ『民衆の敵』の迷走はフジそのもの?リベラル臭が強すぎで7.5%
篠原涼子(44)が主演を務める『民衆の敵』(フジテレビ系)第3回が11月6日に放送され、平均視聴率7.5%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)だったことがわかった。前回比0.4%増となったが、今後の視聴率に期待が持てない展開が相も変わらず続いている。
第3話はとにかく、ドラマの方向性の迷いと時代錯誤感、不自然なリベラル臭が目立った回であった。智子(篠原涼子)は、主婦・富子(梅沢昌代)から隣人の無罪を晴らすように懇願される。隣人・今井一馬(渋谷謙人)は、母子家庭である小川裕子(安藤玉恵)の娘・かのん(白鳥玉季)を誘拐した容疑で逮捕されたが、大手企業を退職してまで母親の介護をしていた一馬が誘拐なんてするわけがない、というのが富子の主張だ。
智子は調査を進める中で、母子家庭の貧困問題や介護問題、さらには挨拶をしなくなった子どもの問題に気づいていく。そもそも、なぜ市議が、冤罪事件を調査しなければいけないのだろうか。脚本家がストーリーに行き詰って、探偵ドラマに鞍替えしてしまったのではないかと邪推してしまった。
智子は、勘だけで「一馬くんは誘拐なんてしていないと思う!」と思い込み、調査に乗り出すが、強引すぎる展開でほとほとあきれてしまう。
調査中も、智子は至る所で「それっておかしくないですか?」と声を荒げるが、その内容にも全く共感できない。例えば、かのんが通う小学校を訪れたものの、子ども達にことごとく挨拶を無視されるシーン。
智子は、「なぜ子どもが大人に挨拶しなくなったの?そんなのおかしい!」と、小学校教師に食ってかかるが、「今はそんな時代じゃない。そう思うのだったら、挨拶できる世の中に変えてほしい」と軽く流されてしまう。智子は納得いかない様子だったが、私にはこの教師の言い分が正論に感じられる。ましてや、実際に誘拐事件が起こっているのだから、子どもや教師たちが不審者に敏感になるのは当たり前ではないのだろうか。
「~世の中、おかしくないですか!?~」という副題がついているが、おかしいのは智子のほうなのでは?とつっこみたくもなる。時代錯誤な価値観、奇妙な倫理観を押し付けて、認めてもらえないと「そんなのおかしい!」とわめく智子は、完全に落ちぶれてしまったどこかの国の野党、いやフジテレビの姿と重なってしまう。
90年代は高視聴率の常連枠だった月9ドラマがここまで低迷しているのに、反省どころか視聴者を置き去りにしたドラマを続けていては、これからの先行きも暗いままだ。
第4話では、ここまでほとんど触れられていない未亜(前田敦子)や岡本(千葉雄大)の仕事ぶりがようやく描かれる。未亜も岡本も智子同様にステレオタイプなキャラクターで、全く期待できないのだが、どのように描くつもりなのだろうか。智子の人物描写にはことごとく失敗しているので、せめて他のキャラクターで挽回してほしいものだ。
文・Harumaki