【子どものPTSDの特徴】症状・診断方法・親の接し方について

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2014年の埼玉県の秋祭りの会場で、ボランティアスタッフの高齢男性に大声で叱られ、当時5歳の女児がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した事件の判決が今月の9日に出て話題になりました。(参考)



子どものPTSDの原因にはどのような特徴があるのでしょうか?そして親はどのように接すれば良いのでしょうか?



今回は、子どものPTSDについて、気になる症状や診断方法なども含め、精神科医でもあられる井上先生に詳しく解説していただきました。






PTSDとは

部屋の隅で落ち込む女の子


PTSDは日本語では、心的外傷後ストレス障害と呼ばれています。突然の衝撃的な出来事を経験することで、生じる特徴的な精神障害のことです。



他の精神疾患と違って、明らかに「これ」といった原因がはっきりしていることが特徴です。ただ、同じ出来事であっても、育ち方や家庭環境などによって発症するかは個人差があります。




子どもがPTSDになってしまう原因 

震災の親子


危機的な心的な外傷経験が原因であり、災害や犯罪被害など強い恐怖感を伴う経験が多いです。子どもではその他に、いじめ、体罰、虐待などが原因になっていることもあります。




子どものPTSDの症状 

泣く女の子


主な症状としては「再体験・回避・過覚醒」が認められます。これらの症状は大人と違って子どもは特有の反応を見せることも多いのです。



再体験

過去の体験を意図せずに繰り返して思い出して苦痛を感じることです。子どもは大人と違って自制が聞かない事もあるので、突然興奮したり、過剰な不安や緊張でパニックを起こしたり、痙攣する子もいます。



回避

原因となった出来事を避けようとすることです。子どもの回避では、まず普段より活動性が低下することが多いです。



表情がぼーっとしたり、引っ込み思案になったり、食事や勉強などの日常生活にも悪い影響が起こる事もあります。



過覚醒

落ち着かずにいつも興奮しているような状態です。また子どもでは、いつも何かにおびえており、少しの反応にもビクッと激しい反応して驚いて泣き出したりします。




子どものPTSDの診断方法 

診断する医師


言語化ができるかがポイントなので、診断方法は6歳を境界にして変わってきます。6歳以下の診断基準は以下のようなことを評価していきます。



□ 実際に危うく死ぬ、重症を負う、性的暴行を受ける出来事がなかったか



□ 心的な外傷になる出来事の後、苦痛な記憶や夢などがでてこないか



□ 心的な外傷になる出来事の後、それを思い出すような場所や行為を避けてないか、引きこもったり活動性の低下がないか



□ 心的な外傷になる出来事の後、過覚醒になっていないか



□ 上記のような症状が1カ月以上続いているか 




子どものPTSDの治療方法 

処方箋


治療内容

薬物療法だけでなく、遊戯療法、認知行動療法など多岐に渡ります。ただ、大切なのは長期的に治療が必要であることです。どれをとっても短期で劇的な効果がでるような治療法ではありません。



また、これ以外にも家族の関わり方も治療の反応性に影響がでます。



薬物療法

科学的な効果判定にいまだ至っていないものの、症状に合わせて漢方薬や抗うつ薬や抗精神病薬などを組み合わせて使用することが多いです。



ただし、どの薬剤も少量を使用するのが原則で、具体的には最小錠剤の1/4~1/2錠から使用するので、いきなり大きな副作用は出にくいです。



治療期間

症状が治まるのなら、しばらく継続することが多いです。一度どこかのタイミングで薬をやめてみて症状が出てこないなら、やめたまま生活する事も可能です。




子どものPTSD、親はどのように接すべき? 

親子で楽しむハイキング


PTSDの治療はまずどんな薬よりも、「安心できる環境」を作って上がることが大切です。PTSDになるほどの強いストレスを受けた子どもならば、危機を避けるためにネガティブな事柄に目を向けることが多いので、家族としてはできるだけポジティブな事柄に目を向けられるように支援することが大切です。



具体的には、子どもが安心する場所や一緒にいて楽しい事や興味のある事を親も一緒になって楽しんでみましょう。その活動の中で、子どもが楽しいや嬉しいなどのポジティブな気持ちになれることを話して、子どもの良い面をどんどん褒めてあげましょう。




最後に井上先生から一言

子供の心



地域や家族のめぐる社会の急速な変化で、子どもも心と体のバランスが取りづらくなっており、精神的なケアが必要な子どもたちが増えています。さらに子どもは周囲の大人が思っている以上に、傷付きやすい心をもっています。



子どものトラウマは簡単に確かめられるものばかりではないからこそ、大人たちは見逃しさないように普段から子どもと接する時間を増やして、しっかり変化に気付いてあげましょう。


【監修:医師 井上 智介】
プロフィール)
島根大学を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び臨床研修を修了する。
平成26年からは精神科を中心とした病院にて様々な患者さんと向き合い、その傍らで一部上場企業の産業医としても勤務している。
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