目の病気のサインかも…寒くなると涙が出やすくなるのはなぜ?
冬の冷たい風が目に当たった際、涙が出たことはありませんか?目に異物が入った訳でもないのに、涙が止まらず不思議に思ったことがあると思います。
心当たりがある人は、ドライアイや結膜炎などの目の病気が隠れているかもしれません。
今回は、寒くなると涙が出る人の原因や症状について、医師に分かりやすく解説していただきました。
涙が出る主な原因
基礎分泌
涙は唾液や胃液と同じように、意識しなくても常に少しずつ作られています。毎分1〜2マイクロリットル(ミリリットルの1/1000)程度作られています。
刺激性分泌
目にゴミが入ったり風が当たったり、玉ねぎを刻んだなどの刺激があるときに、目を守り異物を流し去るために涙が追加で作られます。
心因性分泌
辛いことや悲しいことがあった時など、心因性により涙が出ます。涙を作る指令は、自律神経(交感神経と副交感神経)と三叉神経によって制御されています。
涙が出る仕組み
1. 上まぶたの目じり側にある涙腺で涙が作られる
2. 細い管を通って目の表面に分泌される
3. 涙が下まぶたのへりに溜まる
4. まばたきによって目の表面に涙が行き渡る
5. 涙が目頭側に移動していく
6. 目頭に開いている排水口(涙点)から捨てられる
7. 涙道という道を通り鼻の中に排出される
寒くなると涙が出てしまうのはなぜ?
冷たく湿度の低い環境で目が乾いたり風が目に当たると、その感覚を三叉神経が感じ取り、涙腺に刺激性分泌を起こす指令を送ります。それによって寒いと涙が出やすくなると考えられます。
特に、以下のような場合には、涙がこぼれ落ちやすくなります。
涙道が細い
涙を捨てる道(涙道)が、病気や加齢によって細くなっています。
■ イメージ
下水が詰まってお風呂があふれがちになるような状況。
結膜弛緩症
涙を蓄える役目をしている下まぶたのふちが、結膜弛緩症などの原因で狭くなっています。結膜弛緩症は、加齢などの原因で、白目の表面の結膜がたるみ、下まぶたのふちに折り重なる状態です。
■ イメージ
風呂桶の容量が少なくなることであふれやすくなるような状況。
目の表面の刺激
ドライアイ、結膜炎、コンタクトレンズ使用など、目の表面を刺激する要因がもともとあり、涙の刺激性分泌が普段から多くなっている場合になります。
■ イメージ
お風呂に水が勢いよく注がれており、溜まっている水量が多いため、追加で少しでも水が入ると溢れてしまう状況。
寒くなると涙が出てしまう症状の治療方法
検査方法
■ 顕微鏡
目の表面を顕微鏡で観察します。眼科であごとおでこを乗せ、医師と機械越しに向かい合うような検査です。
■ 点眼薬
検査用の点眼薬を使用し、目の表面の傷の具合、涙の量、ドライアイの有無を確認することもあります。
■ シルマー検査
涙を出す能力を調べるため、下まぶたのふちに細いろ紙をはさみ、出てくる涙の量をろ紙にしみ込ませ、5分ほど過ごす検査をすることがあります。
■ 涙道通水試験
涙道が詰まっていないかどうか調べるため、目頭の涙点から食塩水を注入し、鼻や口にしょっぱい味がするかどうかを調べることもあります。
治療方法
・ドライアイ:点眼治療を行います。
・涙道が詰まっている場合:手術や内視鏡治療を行うことがあります。
処方される薬
特に原因が見当たらないのに涙が出すぎる場合、目の表面の感覚を鈍らせるような点眼を使用することがあります。
しかし、この薬には麻酔作用があり、目に傷が入っても分かりにくくなってしまうため、傷がつきやすく治りにくくなるという副作用があります。
寒くなると涙が出てしまう症状の改善方法

風よけアイテムの着用
バイクや自転車を運転する場合は、風よけの帽子・眼鏡・フルフェイスヘルメットなどを使用しましょう。
目薬の選び方・使用回数の厳守
市販の点眼を使用する場合、防腐剤が含まれていることがあり、使用回数を守らないと、防腐剤によってかえって目の表面が傷つくこともあります。点眼回数を守るか、防腐剤が含まれていない製品を選びましょう。
日常のケア
普段から点眼をしたり、目元を温めましょう。
目の治療
ドライアイや結膜炎の治療を行い、涙道の詰まりがある場合は治療を行う。特に涙に左右差がある場合には涙道通水試験を受けましょう。
最後に医師から一言
特に自転車やバイクの運転中に涙が出ると、視界がぶれたり曇ったりして大変危険です。風が強い時期の運転には、帽子・眼鏡・ヘルメットなどを使用しましょう。
(監修:Doctors Me 医師)