力士も「物言い」はつけられるの!?相撲の「物言い」のルールとは?

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力士も「物言い」はつけられるの!?相撲の「物言い」のルールとは?

却下された2017年九州場所11日目の白鵬の「物言い」

2017年11月22日、大相撲九州場所の結びの一番の取り組みの後、横綱・白鵬が自らの取り組みに「物言い」をつけるという前代未聞のひと幕がありました。

この日の白鵬は対戦相手の関脇・嘉風に敗れたのですが、落ちた土俵下から土俵に戻らず、手を挙げて「ビデオ判定」を要求しました。向正面に座っていた式秀審判が「(土俵上に)戻るように」と促し、ようやく土俵上に戻った白鵬、今度は嘉風が下がっても釈然としない様子で土俵から降りようとせず、「弓取り式」が始まってようやく下がっていきました。

観客も「横綱が勝敗でごねる」というただならぬ事態に騒然となり、携帯電話で写真を撮る人までちらほらと現れました。白鵬の「物言い」は認められなかった上、この件は審判部で「横綱の品格にも関わる問題」として話し合われる見通しとなり、翌朝のニュースなどにも取り上げられ大きな波紋を呼びました。

現代の大相撲の「物言い」のルールとは?

そもそも大相撲における「物言い」は、取り組みで行司が上げた軍配に、勝負審判が異議申し立てをすることです。

力士が2人同時に土俵に落ちる、または同時に土俵を割る「同体」の場合でも、行司は必ず東西どちらかに軍配を上げなければならず、「引き分け」の軍配を上げることはできません。
そのため「同体」とみなされる微妙な取り組みの場合、多くの場合は「物言い」がつきます。

「物言い」がつくと、5名の勝負審判全員が土俵の上に上がって話し合いを行い、必要であればビデオ映像も確認します。そして協議が終了すると、審判長から勝負の結果が軍配通りなのか、「行司差し違え」か、または「取り直し」をするのかが発表される決まりとなっています。

力士による「物言い」も、こんなときはOKなんです!

今回の白鵬のように、力士が自分自身の取り組みの勝敗について「物言い」をつけることは認められませんが、実は勝負審判だけでなく力士も、場合によっては「物言い」をつけることが可能です。

それは「控えの力士」として、土俵下に座って自分の取り組みを待っている時です。
控えの力士が「物言い」をつける場合も審判委員と同様に手を挙げますが、土俵上での審判委員による協議には参加できません。

2014年5月場所12日目の横綱・鶴竜と関脇・豪栄道の取り組みの際には、土俵下に控えていた白鵬が「豪栄道が鶴竜の髷(まげ)を掴む反則をした」ということで「物言い」をつけ、勝敗が覆りました。

ちなみに11月23日の『スポーツ報知』によると、今回の取り組みに勝った嘉風は白鵬が「物言い」でごねたことについて「もう一回(取り直し)になったら絶対に勝ち目はないからそれだけはやめて」と祈らずにはいられなかったとのこと。

大横綱の強さは、どうやらまだまだ衰えを知らないようですね。

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