「葬儀のお花といえば菊」は昔の話?葬儀で使用する花の変化や歴史を紹介!

心に残る家族葬

「葬儀のお花といえば菊」は昔の話?葬儀で使用する花の変化や歴史を紹介!

通夜に参列すると必ず目に入る祭壇。祭壇には故人の遺影、棺、あとは豪華に飾られた花々が飾られています。以前は大きな菊の花が多いように思えましたが、今は菊の花以外にも様々な花を見る機会が増えました。

■宗旨宗派によって使用する花が変わる

仏教は、菊の花、百合、カーネーション、胡蝶蘭いずれも白や黄色の花が多めに使われています。仏教では生花ではなくて造花でも良いとされています。
神道も、仏教同様に菊の花、百合等が使われ、中でも菊の花が使用されることが多いです。
キリスト教は、主に百合、カーネーションや小菊、スプレー菊が使われます。仏教とは違い、生花であることが基本で色は白を基調とすることを注意しなければいけません。
では、他の宗教は?と気になるところですが、ユダヤ教やイスラム教は特に決まりがないそうで、供花を贈っても贈らなくても問題はないといいます。贈るとしたら白系で良いそうです。宗教によって違いはありますが、共通して言えることは白系の花が基本ということです。

■葬儀でタブーとされている花とは?

匂いがきつい花を避けた方が良いことは何となくでも知っている人が多いと思います。棘のある花もなるべく避けた方が良いとされています。また、白い花が基本とされますが、では反対色の黒い花はどうでしょう。葬儀=黒のイメージがありますが、蘇悉地経(そしつじきょう)という経典で黒い花は供えないように記述されているそうです。黒い花自体、市場でもあまり見かけることはありませんが、そのために葬儀でも使われないのだと思われます。

ちなみに椿も葬儀には不向きな花とされています。椿は花ごと落ちることから武士が斬首される様を連想させるため、武士から忌み嫌われた花だったそうです。その名残からか現在も葬儀では使われることがありません。

■菊=葬儀で定着していること

葬儀の祭壇といえば、白い菊の花が多く飾られているイメージです。菊といえば、天皇家の紋章であり日本を象徴した国花です。そして、花の中で長持ちする種類でコストもあまりかかりませんし、香りもきつくないので大量に飾ってあっても不快と思う人は少ないです。告別式までの間、花々が綺麗に咲いていると遺族や参列者にとって気持ちの良いものだと思います。そのため、葬儀には菊が使われることが定着しているのかも知れません。

■現在祭壇に飾られる花はこんなに変化している!

従来の祭壇は白い菊多めで、綺麗ではありますが何か味気ない…と思われていました。また、生花は社葬など大きな葬儀の際に用いられることが多い傾向にありました。しかし最近では一般の葬儀でも生花で飾られることが多くなっています。故人が好きだった花を飾ったりと、白一色ではなく色鮮やかな祭壇になることが多くなりました。トゲがあるので良くないとされていたバラも最近では使われるようになりました。他にもヒマワリ、胡蝶蘭、百合など様々な花も従来の葬儀ではなかった使われ方をされている様になりました。まるで結婚式の高砂かと思われるような祭壇にも見えます。
葬儀の形もここ数年で変化してきたことに伴い、遺族が要望すれば葬儀社もそれに応えてきたのでしょう。ただし、生花は季節や種類などに左右されますし暖房に弱くあまり長持ちしないことを考慮しなければなりません。

暗くて悲しい葬儀も花によってイメージが180度変わることにはとても驚きます。自然は人の心を落ち着かせる効果があります。色鮮やかな花々が綺麗に飾られていると悲しさも多少は紛れるのではないでしょうか。

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