松井秀喜が全面支援する大谷翔平ヤンキース「3年限定二刀流」 (2/2ページ)

週刊実話

松井氏は1年目からメジャーでフル回転させるのではなく、メジャーと3Aを行き来させるなどして経験を積ませ、3年かけて二刀流を完成させる工程表を描いているという。

 背景にあるのが、田中から得た教訓だ。田中は'13年オフに平均年俸およそ25億円の7年契約でヤンキースに入団。大型契約に見合う活躍を見せ、1年目からフル回転。前半戦だけで12勝(4敗)をマークしたが、7月に右肘靭帯の部分分裂が発覚。その後は長期離脱を余儀なくされ、現在も右肘に爆弾を抱えながらマウンドへ上がり続けている。
 「大谷の実力からして、1シーズン目から10勝を挙げるのは容易でしょう。しかし、打者出場も加わる大谷の場合、体への負担は田中の比ではありません。そこで松井氏は大谷を預かる形で、酷使をセーブしつつ鍛え上げる考えのようです。あと2年待って渡米すれば100億円超の大型契約で入団できるのに、それをせず、あえてメジャー最低保障の年俸6000万円で海を渡る。遠回りにはなるが、3年かけてじっくり体を鍛え、二刀流を完成させた方が結果として夢を叶えることができ、より稼げる、そうアドバイスするのでしょう。大谷が『自分はまだ足りない部分の方が多い。もっと磨きたいし、そういう環境に自分を置きたい。そこに適している球団に行きたい』と話しているのと、すべてが合致するのです」(大リーグに詳しい野球解説者)

 松井氏は'18年度のMLB野球殿堂候補にノミネートされた。殿堂入りには、メジャーで10年以上プレーし、引退して5年が経過した選手が条件。日本人が候補者に入るのは'14年の野茂英雄氏(49)以来となる。ヤンキースなどで通算175本塁打を放ち、オールスターに2度出場、'09年ワールドシリーズでMVPに輝いた松井氏には、その資格が十分にある。
 「殿堂入りには、ノミネートされた翌年以降、全米野球記者協会の記者投票で75%以上の得票が必要となる。5%以上の得票で最長10年間候補に残れるが、5%に満たなければ資格を失います。野茂氏は最初の年に1.1%しか得られず、資格を失った。候補者は20数人おり、松井氏も苦戦は必至とみられている。しかし、大谷の“二刀流”を成功させることができれば、メディアの注目が集まる。クーパーズタウンのアメリカ野球殿堂博物館に松井のバットが飾られれば、日本人選手の誇りとなるし、気合いが入るのも当然でしょう」(前出・スポーツ紙デスク)

 元々、松井氏がヤ軍のGM特別アドバイザーに就いたのは、将来の巨人監督就任に備え、巨人の若手選手を受け入れる環境作りにあった。自身が長嶋茂雄氏(当時の巨人監督)に教わったように、マンツーマンでの教育プログラムを実施し、次世代の“ゴジラ”を育成する―。その計画が、図らずも大谷の二刀流で本格始動するわけだ。
 ミスターのDNAを松井氏が媒介して、大谷が受け継ぐ。「二刀流」への期待は膨らむばかりだ。

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