核戦争に備えて。42台のスクールバスを埋めて巨大な核シェルター「ザ・アーク・トゥ」を作った男性(カナダ)

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核戦争に備えて。42台のスクールバスを埋めて巨大な核シェルター「ザ・アーク・トゥ」を作った男性(カナダ)
核戦争に備えて。42台のスクールバスを埋めて巨大な核シェルター「ザ・アーク・トゥ」を作った男性(カナダ)

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 カナダ、トロントから北へ100キロ、ホーニングス・ミルズの静かな村には、ブルースとジーン・ビーチ夫妻の12.5エーカーの農場がある。

 一見したところ、普通の田舎の広大な農家となんの変わりもない。だが、この緑の野の地下深くには、北米最大のプライベート核シェルターがあるのだ。その名も「ザ・アーク・トゥ(The Ark Two)」だ。



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Tour of an underground bunker created from 42 buses・約500人が数か月生活可能。現代版ノアの箱舟
 ブルース・ビーチの有名な核シェルターの広さは929平方メートル、42台の古いスクールバスをコンクリートで覆って、地下4.2メートルのところに埋めて作ってある。

 アーク・トゥは、500人が数ヶ月生活できるよう設計されていて、大規模な食糧の備えや私設井戸、フル配管工事、余剰の燃料発電機から、歯医者やデイケアサービスまで、生き延びるのに必要だと思われるものがすべて完備されている。

 まさに現代版ノアの箱舟といったところだ。

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image credit:Bruce Beach

・来るべき終末、核戦争に備えて
 ブルース・ビーチ(83)は、1980年の冷戦真っ只中の時代からこのプロジェクトを進めてきて、1982年に基礎工事を完成させた。

 カンサス州ウィンフィールド出身のブルースは、もともとシカゴに住んでいて、冷戦がエスカレートし始め、核兵器への恐怖が最高潮になった1960年代に電気技師として働いていた。

 核戦争になった場合、都市部よりも安全だと考え、1970年にカナダの田舎に引っ越すことに決めて、このホーニングス・ミルズに落ち着いた。

 ここでブルースは将来妻となるジーン(90)と出会った。ブルースがアークを建設することになる土地は、ジーンの家族が所有していた場所だった。

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image credit:Global News

・核戦争は起こらず30年が経過、時代が進みすぎた
 あれから30年以上たったが、ありがたいことに核戦争はまだ起こっていない。

 結果的に、ブルースが巨大シェルターを完成させた時から、世の中のさまざまな技術はかなり進んでしまった。例えば、シェルターの監視カメラは、いまだにコモドール64のコンピューターで作動しているし、電話はダイヤル式で有効な固定電話に接続する仕組み。何年も大量の備蓄食料を処分しなくてはならないのは言うまでもない。
おれはいつも世界の終わりは2年以内にやってくると言っていた。だが、今は2週間以内にくると言っている。

もしおれが間違っているなら、日にちを修正するだけだ。人々がなにをバカなことを、と考えているのは知っている。だが、おれは構わないし、世間がおれのことをそういう風に見ているのはよくわかっている。
ブルースは語る。

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image credit:Global News

・無許可建築で問題となっているアーク・トゥ
 ブルースは自分のウェブサイトで、30年以上前にアーク・トゥの建設を始めて以来、裁判沙汰になって、30回以上法廷に引っ張り出されたと言っている。

 許可なくシェルターの建設を行ったためだが、"シェルターに対する心理的な要因がある"という理由で、ブルースの主張が却下され、ブルースはこれは生死の問題だと感じて、許可が下りなくても、工事を勝手に進めた。

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image credit:Global News

 近くのシェルボーンの消防職員は、アーク・トゥを危険な場所とみなし、公共の安全を引き合いに出して閉鎖を求め、ドアを溶接して封印したがっている。

 それに対して、ブルースは「溶接をやめさせるためならなんでもやってやる」と反発している。・支援してくれる仲間も
 だが、ブルースにはたくさんの仲間や支援者がいて、大勢がアーク・トゥにやってくる。2015年には、カナダ・サバイバル&ミーティング博覧会の集まりがこの農場で開かれ、目玉イベントのひとつが、シェルター内ツアーだったという。

「初めてシェルターの中に入ると、それはまるで違う惑星、いわば火星にいるようだった」とイベントの主催者は語る。「地下に42台のスクールバスが埋まっていると言われても、それを実感するには、実際に現地へ行って、実物を見る以上のものはない。とにかく途方もない」

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 アーク・トゥのツアーやボランティア活動については、ブルースのウェブサイトを通して申し込める。


via:webpal / globalnews / jumpradioなど/ translated by konohazuku / edited by parumo



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