桐谷健太「三太郎シリーズの影響力はすさまじかった」 (2/2ページ)

日刊大衆

以前、1000メートル級のテーブルマウンテンから流れる滝の横にテントを張っていたら、雨が降ってきて、雨宿りができるような場所もなく、テントの中まで水浸し。そういう時の感覚を覚えておくと、“あの時の俺と似てるやん”と、役と繋がる時があるんです。

 そう考えると、自分の経験の幅を広げていかなくてはいけないし、自分の中に生まれる感覚を注意深く見ていなくてはいけない。でも、子どもの頃から、そういうのが好きだったんですよね。高校生の頃には、ポエムノートを書いていたぐらいですから(笑)。

■映画『ビジランテ』は新鮮な気持ちで演じられた  今回の映画『ビジランテ』で頂いた役は、本当にやりがいのある役でした。暴力で家庭を支配する父を持つ三兄弟の三男役なんですが、それぞれ、違う生き方をしてきた3人が、父の死を機に再会し、衝突するというお話です。演じた三郎は、父への反抗心から裏社会で生きている。正直、台本を読んだ時は、自分と重なる部分がなくて、わからなかったんです。

 うちのおとんはめちゃくちゃ明るいし、帰省したら一緒に飲みに行くほど仲もいい。唯一の共通点は、兄貴がいるってぐらいでした。でも三郎の服を着てブーツを履いて深谷の冷たい風を受けた時、一気に三郎が入ってきた。なので常に新鮮な気持ちで演じられました。頂いた役に一生懸命にぶつかっていく。こういう役をやりたいとか、何歳までに、こうなっていたいとかは、あまり考えないんです。

 一日一日を遊びの気持ちを持って、今に集中して生きていけば、自分が想像していた未来よりも、いいところに行けると思うんです。そういう風に、年を重ねていきたいですね。

撮影/弦巻勝

桐谷健太(きりたに・けんた)
1980年2月4日生まれ。大阪府出身。02年、ドラマ『九龍で会いましょう』で俳優デビュー。翌年、井筒和幸監督の映画『ゲロッパ!』で映画初出演を果たす。11年には、エランドール新人賞を受賞。その後も大河ドラマ『龍馬伝』をはじめ、数々の話題作に出演。15年から放送される『au』のCMで浦島太郎役を演じ、一躍脚光を浴びる。同CM内で歌った『海の声』でNHK紅白歌合戦への出場も果たし、マルチな才能を発揮し、活躍中。

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