連続殺人犯「ゾディアック」と同じ思考をするようプログラミングされたスーパーコンピューターが作り上げた不気味なポエム。事件解決の糸口となるか?

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連続殺人犯「ゾディアック」と同じ思考をするようプログラミングされたスーパーコンピューターが作り上げた不気味なポエム。事件解決の糸口となるか?
連続殺人犯「ゾディアック」と同じ思考をするようプログラミングされたスーパーコンピューターが作り上げた不気味なポエム。事件解決の糸口となるか?

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image credit: Wikimedia Commons

 アメリカ、カリフォルニア州サンフランシスコで、1968年から1974年にかけて少なくとも5名が殺害されという連続殺人事件が起きた。

 犯人は声明文の中で「私はゾディアックだ」と何度も名乗った。

 ゾディアック事件は、約半世紀たった現在も犯人不明のままだ。捜査中は継続中であり、犯人は断定されていない。また、警察や新聞社に送り付けられていた暗号文にも多くの謎が残されている。

 

 これまで様々な憶測や推理がなされた。自身がゾディアックであると名乗るものや、自分の父親であると主張する人物も現れたが、決定的な証拠に乏しい。

 そして今、スーパーコンピューター「CARMEL」が、この連続殺人犯の思考ができるというプログラムを開発した。

 

・AIに人間の言語を理解させ、思考をも模倣する研究
 このAIソフトの開発したのは、南カリフォルニア大学情報科学の教授、ケヴィン・ナイト氏だ。彼は、スーパーコンピューター「CARMEL」に人間の言語を理解させ、さらにその思考や書く文章まで模倣できるよう探究している、自然言語処理の専門家である。

 今回は、このCARMELを使って、ゾディアック事件の真相に迫ろうというのだ。

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The Hunt for the Zodiac Killer: Codebreaking 101 | History・すでに超難解とされているコピエール暗号の解読に成功
 ナイト氏は、史上もっとも難解とされている暗号を解こうと研究を続けていている。彼の研究チームは最近、CARMELを使い、コピエール暗号の解読に成功した。
■コピエール暗号とは?

旧東ドイツで発見された105ページ、7万5000文字からなる手書きの文書。18世紀後半に書かれたものと思われる。本には豪華な装丁がなされていた。文章はアルファベットと記号が組み合わされた奇妙な文字で綴られており、これまで解読が極めて難しいとされていた。

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image credit: Copiale cipher - Wikipedia

 2011年より解読を試みていた研究チームだが、ついに解読に漕ぎつけたのだ。そこに隠されていたものは、ドイツの眼科医の秘密結社のメッセージで、入会の儀式と信仰についてだった。・ゾディアックが送り付けた声明文「Z340」の解読を試みる
 自称「ゾディアック」は、警察や新聞社に捜査をあざ笑うような挑発的な手紙を送りつけてきた。4つの声明文は、人を惑わせるような文字や抽象的な記号ががちりばめられた暗号になっている。

 特に、1969年11月にサンフランシスコ・クロニクル紙に送りつけられてきた340文字のゾディアック暗号は、最も不可解で困難な探究対象だと暗号学者は考えている。

 現在、ナイト氏とCARMELと暗号解読チームは、ヒストリーチャンネルと協力して、この不可解な暗号「Z340」の解読を試みている。

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1969年11月、サンフランシスコ・クロニクル紙に送られてきたこのZ340暗号には、グリーティングカードと、彼の犠牲者の着ていたシャツの切れ端が添えられていた
image credit:sfgate

・CARMELが作り上げたゾディアックの思考を模した不気味な詩
 ナイトが手掛けているコンピューターができる言語処理研究の成果として、CARMELは与えられたどんなテーマについても、またたく間に複雑な詩を作り出すことができる。

 さらに、その詩が言葉が混ざりあった一行のまとまりに適しているかどうかにかかわらず、ユーザーが、行数、言葉の長さ、頭韻パターンなど、いくつかの構造的パラメーターを時間をかけて設定することができる。

「呪いの言葉を抜き出す前に、それを見るべきだ」とナイトは言う。

 シリアルキラー、ゾディアックの思考をベースに、CARMELは悪夢のような色合いを帯びた詩を作り出すことができるのだ。下記はその一部だ。


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愛の時代には、愛が乱れ狂い、

ロマンチックな関心から美が生まれたが、

愛という考え、愛そのものは分裂するようになった。

そして、愛の言葉だけに憑りつかれるようになった。

まわりは問題を抱えた者、泥棒ばかりで、

上の者から、混乱させられ、傷つけられ、毒を盛られる。

どうにも対処しようもない陰謀によって、困惑させられ、盲目にさせられ、

恐ろしい中傷によって、めちゃくちゃになり、なにも見えなくなる。

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べつの連中が次第に勢力を増し始めても、

警官はひとりもかけつけないし、

ろくでもない男によってなにかが進行していて、

そして、汚れた引き金に指がかかる。

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その存在があんたの世界全体に入って来る。

歪んだ心が病的に熱狂していくのがわかり、

終わることのない現代の死の薬物、

別の腐った魂が精力的になる。

あるいは、遺伝子検査に圧力がかかり

自分のうつを抑えることばかりに苛まれ、

人間の拷問だけが鎮まることもなく、

もう、簡単な教えを期待するだけなのかもしれない。

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悲しみの悲しみは、泣きながらささやき、

眠れないよそ者と共にまどろみ、

孤独な恋人たちだけが眠り、盗みを働き、

無力な死者は元恋人を忘れてしまった

タクシーや脱獄などを通じて、

残虐な殺人にひとり怒りを覚える。

人造湖に囲まれたまま、

殺人者は決して有罪にならない

via:youtube / history / wikipediaなど/ translated by konohazuku / edited by parumo



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