あの葉巻型の恒星間天体に宇宙人の探査機疑惑。専門家が調査を開始。

カラパイア

あの葉巻型の恒星間天体に宇宙人の探査機疑惑。専門家が調査を開始。
あの葉巻型の恒星間天体に宇宙人の探査機疑惑。専門家が調査を開始。

[画像を見る]

 今年10月に発見された、まるで葉巻のような奇妙な形をした恒星間天体「オウムアウア」。その名は、ハワイの言葉で使者という意味がある。

 その不思議な天体は専門家や天文ファンからも注目を浴び、宇宙のどこかにある高度文明が送り込んできた探査機ではないか?と推測する者も出始めた。

 推測するだけではない。本格的に調査をする動きが始まった。

・オウムアウアから電波信号が発信されているかどうかを調査
 地球外知的生命体の調査プログラム「ブレークスールー・リッスン(Breakthrough Listen)」を主宰するロシアの投資家ユーリ・ミルナー氏もまたその可能性に熱い視線を注ぐ一人だ。

 ミルナー氏は、ハーバード大学天文学部を統括するアビ・ローブ教授との会談後まもなく、ブレークスルー・リッスンはオウムアウアが電波を発しているかどうか調査すると発表。単なる岩石ではないことを確かめようというのだ。

 ローブ教授はミルナー氏へ宛てたメールの中で、「調べるほどに変わっている。異星文明が送った人工物ではないかと思えてならない」と述べている。

 ・一般的な小惑星と異なりを見せるオウムアウア
 オウムアウアはハワイにある「パンスターズ」望遠鏡によって発見されたもので、それ以来、一般的な小惑星や彗星には見られない特徴が確認されてきた。

 発見当初、彗星だと推測されたが、核を取り巻くコマ(太陽の熱で本体が昇華したもの)がなかったため、その可能性はすぐさま否定された。

 形状もまた奇妙で、ほとんどの小惑星が丸っぽいのに対して、こちらは幅に比べて長さが相当に長かった。だからと言って、小惑星の可能性が完全になくなるわけではないが、それでもいくつか疑問点が残された。

[動画を見る]

Animation of `Oumuamua passing through the Solar System (annotated)・万が一の可能性、未知との遭遇を信じて
 ブレークスルー・リッスンは、12月13日午後3時(東部標準時)からグリーンバンク望遠鏡を用いて天体の観測を開始した。10時間に渡り望遠鏡をオウムアウアに向けながら4つの周波数を観測。そこから発信される電波の検出を試みる。

 むろん専門家はそれが人工物である可能性がかなり低いことを認めている。しかし絶対にありえないことに科学が首を突っ込むことは滅多にない。

 バークレーSETI研究センターの所長であり、同センターが進めるブレクスルー・リッスン計画の責任者でもあるアンドリュー・シェミオン氏は、「この分野は、調べるたびに失敗に終わる大変なもの」とコメント。地球外知的生命探査に携わる人たちにはお馴染みであろう思いを吐露してくれた。

 オウムアウアはSETI関係者にとっては単なる最新のネタであるにすぎない。それは地球外生命の影響が窺えるかもしれない最も手近な天体の一つでしかないのだ。・恒星「KIC 8462852」にも宇宙人関与疑惑が
 ケプラー宇宙望遠鏡は「KIC 8462852」という遠方の星を発見。こちらも珍しい特徴を有しており、高度な文明が存在するのではと期待が持たれている。

関連記事:「エイリアンの巨大建造物」と呼ばれるタビーズ・スターから再び謎の減光現象が確認される

 人類は我々が宇宙で孤独な存在ではないと是が非でも証明したいと願っているようだ。ゆえに例えわずかでもその可能性があれば追い求めていく。

 宇宙は広い。地球外に生命体がいないわけがない。だがまだ巡り合えない。フェルミのパラドックスはいつ解消されるのだろう?

 人類の探求心が潰えない限り、それはそう遠くない未来かもしれない。


via:theatlantic / futurismなど/ translated by hiroching / edited by parumo



画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
「あの葉巻型の恒星間天体に宇宙人の探査機疑惑。専門家が調査を開始。」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧