大迫傑と神野大地活躍も「素直に喜べない」日本陸上競技連盟

まいじつ

digi009 / PIXTA(ピクスタ)
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12月3日に開催された『第71回福岡国際マラソン』で、5000メートル競争の日本記録保持者である大迫傑が日本歴代5位の2時間7分19秒で、日本勢ではトップの3位に入った。

久しく世界レベルの記録から遠ざかっていた日本男子マラソン界にとっては朗報だったが、日本陸上競技連盟を始めとする関係者は、それを素直に喜ぶことができなかったという。

「福岡マラソンは東京五輪出場の選考レースが始まる来年度へ向けての試金石になる大会だと目されていました。大方の予想通り、すでに海外レースで好タイムを出していた大迫、箱根駅伝で有名になった神野大地が上位を争いました」(体協詰め記者)

箱根駅伝で“山の神”と呼ばれた神野は、大迫より少し遅れる2時間12分50秒の13位。昨年は故障などで十分な練習もできなかったことを思えば、復帰への手応えを感じさせるレースだったと言えるだろう。

陸連の指導方針が否定された結果

「陸連がふたりの好タイムを喜べない理由は“練習方法”にあります。まず大迫ですが、彼は『ナイキ・オレゴンプロジェクト』の所属です。この組織はトラック種目で世界大会を席巻している新しい勢力で、マラソン界への進出を企てていました。世界のトップアスリートも所属しており、各選手に適した練習プログラムが最新鋭の測定マシンなどによって作られているとされますが、詳細はチーム方針によって完全非公開です。分かっているのは、従来の練習方法を否定していることだけ。神野は日本の実業団の所属ですが、福岡大会に臨むにあたって“個人練習”を積み重ねてきました。夏合宿ではほぼ毎日、全体練習のあとに70キロを走るなど、周囲はオーバートレーニングも懸念しましたが、個人トレーナーと契約し、その指示に従っていました」(同・記者)

大迫も神野も独自の路線で鍛練を重ねている。そのため、陸連関係者がふたりの活躍を素直に喜べないのだという。

「男子マラソンは低迷してかなりの歳月が経っています。ほかの選手からは2人の挑戦を応援する向きもあるので、古参の幹部連中は面白くありません」(同・記者)

大迫は福岡マラソンでゴール後に次のようなコメントを残した。

「信頼できるコーチと日本で巡り合えなかったので、感謝しています」

結果で否定されつつある陸連の指導方針。来年の五輪選考レースで波乱が起こりそうだ。

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