2017プロ野球「行く年来る年」座談会(2)巨人・高橋監督は岡本と心中できるか (2/2ページ)
角 ヤクルトも5月末に10連敗したかと思ったら7月にも14連敗。OBのギャオスは、何が原因だと思う?
内藤 この球団はとにかくカネを使わない(笑)。FAでの大型補強は極力避けて、トレードや他球団を戦力外になった選手たちで賄いますからね。
角 カネをかけないなら、選手の実力を見極める眼力が必要となってくる。フロントの責任も問われるよな。
内藤 来季からは、シニアディレクターを務めていた小川淳司さんが内部昇格で再び監督に就任します。小川さんの手腕には期待していますが、カネをかけない「人事異動」という見方もできますよね(笑)。
駒田 でも、あれだけ主力に故障が相次いだのは痛かった。「ヤ戦病院」と揶揄されるほどでしたからね。
角 野村監督時代のヤクルトは、質の高いミーティングに時間をかける一方で、練習量自体はそれほどでもなかった。その後のヤクルトを見ていると、練習の少なさだけが継承されて、「野村監督の遺産」はもうなくなった気がするんだよな。
内藤 秋季キャンプはすごかったですよ。完全に「昭和の野球」(笑)。宮本慎也ヘッドが中心となって、ひたすら体力強化の過酷なメニューで鍛えていました。
駒田 宮本ヘッドは気持ちも強いし、妥協を許さないタイプでしょう。ノビノビ野球に慣れてきた選手がついていけるかな。
内藤 僕もその点が心配なんです。秋季キャンプで取材した中堅、若手選手たちがみんな疲れ切っていた。肉体的な疲労だけでなく、とにかく元気がないんです。厳しい指導で知られ、広島から移籍してきた河田雄祐、石井琢朗両コーチも「今年は覚悟しています」と言っていた。このチームの意識改革は、それだけ大変だということなのでしょう。
<座談会メンバー>
角:(角盈男)/駒田:(駒田徳広)/内藤:(ギャオス内藤・内藤尚行)