ハート出版、「アメリカ人が語る 日本人に隠しておけないアメリカの“崩壊”」を刊行 (3/4ページ)

バリュープレス



ロシアで成功した社会主義革命は、西欧には広がらなかった。マルクス主義者(フランクフルト学派)は、西欧で革命を成就させるには新しいマルクス主義が必要だと考え、敵は資本主義よりも、伝統文化であるとした。これを破壊するために、被差別意識を作り出す運動を起こし、それにより社会に亀裂を生じさせ、時間をかけて国家を崩壊へと向かわせる、というものだ。そこで重要な働きをするのが「ポリティカル・コレクトネス」(ポリコレ)である。

著者は米国社会に蔓延する深刻なポリティカル・コレクトネスの暴走に多くのページを割いて取り上げている。ポリティカル・コレクトネスとは「性・民族・宗教などによる差別や偏見、またはそれに基づく社会制度・言語表現は是正すべきとする考え方」のことだ。


米国においてポリティカル・コレクトネスは、1960年代の反ベトナム戦争の抗議活動の頃から目立つようになる。

弱者に対する差別や偏見を是正するのは誰しも正義だと考える。だから米国の左派は、黒人、性的マイノリティー、女性といった「社会的弱者」を前面に出し、彼らの意図した通りの方向に社会を変化させていった。それが行きすぎた権利主張であっても、異議を唱えることは難しい。彼らは、自分と異なる意見に対しては「差別だ!」と大声をあげて黙らせてしまうからだ。


姿を変えたマルクス主義は米国の教育、マスメディア、政治、そして社会に浸透し、大きな力を持つに至った。

「メリークリスマス」はキリスト教信者以外の者に対する差別と言われ、結婚式では「夫と妻」ではなく「配偶者と配偶者」と呼ばねばならず、「風と共に去りぬ」が人種差別映画とされ、破壊が要求される記念碑の数は増え続け、些細な言動で人々が失職する……。

このようなポリティカル・コレクトネスの暴走により、米国左派と右派の間で憎悪が増大し、すでに暴力を伴う左右の衝突が始まっている。

著者によれば、互いに銃を取って殺し合う、南北戦争以来の内戦にいずれ発展するという。まさにマルクス主義者の目論見通りの結果になりつつある、ということだ。
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