土俵から落下、顔面を痛打…相撲をさばく行司さんは実は命がけの仕事!?

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土俵から落下、顔面を痛打…相撲をさばく行司さんは実は命がけの仕事!?

行司さんには危険がいっぱい!?

相撲の取り組みを裁く行司は、土俵上の勝敗を見極められる所に立ち、正確に軍配を上げるのが仕事。それと同時に考えなければならないのが、力士と接触する危険を回避することです。

元々力士には身体の大きな人たちが多いのですが、近年は外国人力士が増えたことや栄養状態が良くなったことなどの影響で、更に大型化しています。また、相撲自体のスピードも速くなっています。

多くの行司さんは標準体型ですから、体重150キロ前後の力士と猛スピードで激突したら、ひとたまりもありません。

元第33代木村庄之助である野澤要一氏の著書『力士の世界』によると、元横綱・朝青龍に投げられた元大関・琴欧州(現・鳴門親方)の足の先が、土俵上の野澤氏の身体をかすったことがあったそうです。

「まともにあたっていたら私の体が吹っとんでいました(同書)」という言葉からも、その恐怖が伝わってきます。

ですから、行司は土俵上では常に力士の動きを予測しつつ、なおかつ正確に勝敗を判断できる「つかず離れずの位置」をキープしています。

土俵の上から行事が消えた!?

そのような配慮を欠かさない行司さんですが、時にはハプニングが起こることもあります。

一見変わったことのない相撲の取り組みの映像ですが・・・

なんと取り組みの途中で、行司が消えてしまいました!力士との接触を避けようとして、そのまま土俵の下へ落ちてしまったようです。

相撲には「行司が土俵から落ちたら取り直し」というルールは特にないため、取り組みはそのまま続行されました。落ちてしまったもののすぐに土俵上に戻り、最後にはちゃんと軍配と勝ち名乗りを上げるところは、さすがです!

力士の足が行事の顔を痛打

2013年秋場所10日目の嘉風関と常幸龍関の取り組みでは、行司の顔面に力士の足が当たる事故がありました。

「小手投げ」で投げられた嘉風関の足が、行司の木村晃之助の顔を直撃!投げられた嘉風関だけでなく、行司さんまで土俵上に倒れてしまいました。

取り組み中、嘉風関は自分の足が行司さんに当たったことに全く気付かなかったそうですが、後にテレビ番組の中でその後日談が語られました。

この取り組みで手を骨折した嘉風関は、国技館内の相撲診療所へ行きました。そこには嘉風関の足が当たった行司・木村晃之助もいて、嘉風関が挨拶したところ、いつもは愛想よく「お疲れさまです」と言ってくれるのになぜか冷たかったのだとか。

おかしいな?と思っていた嘉風関は、翌日の新聞で自分の足が行司さんの顔に当たったことを知り、「昨日行司さんが冷たかったのは、このためか!」と理解したのだそうです。

勝負をかけ、土俵上で懸命に戦う力士たち。それを裁く行司さんたちの仕事も、同じように命がけなのです。

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