【例文あり】「企業選びの軸は?」の質問に答えるためのたった3つのコツ

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「企業選びの軸は?」の質問に答えるためのたった3つのコツ

新卒の就活面接では特に聞かれることの多い「企業選びの軸」。対策がしっかりできていないと、何を答えれば好印象を与えられるのか迷ってしまいますよね。

今回は「企業選びの軸は?」と聞かれたときに企業が見ているポイントや、企業選びの軸の種類、答え方から例文までこれを読めば対策が万全になるたった3つのコツをご紹介していきます。志望動機や入社先企業を選ぶときの基準にもなりますので、ぜひ参考にして対策をしてみてくださいね。


■企業は「企業選びの軸」」を聞いて何を判断している?

そもそも企業側はなぜこの質問をするのでしょうか? 学生を見極めるポイントとなる3点をご紹介します。

1.成長できる人物かどうか
2.自社と価値観が合うかどうか
3.長く勤められるかどうか

それぞれの項目でどんなポイントを見られているのか、解説していきます。

1.成長できる人物かどうか

企業選びのポイントを見ることで「なぜその仕事をやりたいのか」「そのためにどんな仕事や経験が必要なのか」を自分自身で把握しているかどうかが見えます。人が成長していくには、具体的に目標や成長に必要となることを思い描けているかどうかが大きく影響するからです。

目的を持って仕事を選んでいるか、仕事に対する姿勢や物事に取り組む真剣さをこの質問の答えに見ているのです。

2.自社と価値観が合うかどうか

自社が大切にしている価値観と、あなたの価値観が合っているかどうかを見ています。価値観が合っていれば、物事を決定するとき、優先順位をつけるときなどに自社が求める決断を実行できる人材といえるからです。

価値観が合うもの同士は時間の無駄もコミュニケーションロスもなく、仕事を遂行できます。

あえて価値観の違う採用をしようと考えたときも企業選びの軸を聞けば、どのような価値観を持っているかがわかるため、狙った層を採用することができるのです。

3.長く勤められるかどうか

あなたの思い描いている企業選びの軸が単なる興味関心ではなく、自分の人生に欠かせない経験だと感じているかどうかがわかることが大切です。それがわかれば自社に長く勤めてくれる可能性が高いと判断できます。

正社員として働くということは、会社に責任を持った立場で働くということです。その意味を理解している学生を採用したいと企業側は考えているのです。

また、企業選びの軸についてきちんと考えていないと、「興味があったから」「◯◯が好きだから」という簡単な理由を述べることになります。何も知らなくても伝えられるような内容では、面接官をがっかりさせてしまいます。この準備が済んでいるかどうかで、入社意欲を判断することができるのです。

企業選びの軸にはどんなものがある?

■「企業選びの軸」にはどんなものがあるか

企業選びの軸としては、企業に伝えるものと伝えないほうがよいもの、2つがあります。企業に伝えるものは、企業選びの軸として使い、伝えないほうがよいものについては、自分が内定先企業を比べるときに使いましょう。比較するための基準として活用することができるので覚えておきましょう。

◯企業に伝えるもの

企業選びの軸として使える内容を紹介していきます。

・社会貢献

企業選びの軸に使う1つ目の内容は、このビジネスに携わることで実現できる社会貢献です。何らかのサービスや製品を提供することで人や環境、経済などにどのような影響や価値が与えられると考えているのかを伝えましょう。

・業務内容

業務の中で元々自分が携わりたいと考えていた事業やプロジェクトなど、自分がやりたいことに携わることで自分の成長が叶い、夢や将来への道が開かれることを伝えましょう。夢や将来の道として、独立や転職を思わせる内容は避けるのが無難です。あくまでその企業において、成長した力を発揮して活躍するという道筋を作ってアピールしましょう。

また、その仕事やプロジェクトのどんなところに価値を感じているのか、なぜそれをやりたいと感じているのかの理由も忘れずに伝えてください。理由の内容によって入社したいという本気度をはかることができます。その後にその企業ならではの特徴を加えることで、説得力のある志望動機として使うこともできます。

◯企業選びの軸で伝えないほうがよいもの

企業選びの軸の中で伝えないほうがよい項目もあります。

・労働条件

残業が少ない、居心地がよい、安定性がある、勤務地が通いやすいなど、自分にとってメリットが大きい項目については面接で伝えるべきポイントではありません。なぜなら企業にメリットを与えられる可能性が少ない内容だからです。企業に伝えるべきはあなたが「採用した方がよい人物だ」と感じられる内容のみに絞っておくことが重要です。

・待遇

待遇についても同じで、給与が高い、手当が充実している、割引利用できる施設が多いなど、入った後に享受できるメリットは「それを目的として入ってくる」という風に見られてしまう可能性も高いので伝えないほうがよいです。

■「企業選びの軸は?」と聞かれたときの答え方のコツ3つ

面接などで「企業選びの軸は?」と聞かれる回数は非常に多く、特に他社の選考状況とセットのケースが多いです。質問頻度が高い項目ですから、いつでも魅力的な内容をスラスラと答えられるように、3つのコツを覚えておきましょう。

1.興味や好き嫌いなどの単純な動機は入れない

まずは個人的な興味などの抽象的な動機は避けましょう。興味や好き嫌いなどの感情は、逆方向に転換することもあるため、不確定要素が多いと感じられてしまいます。つまり、興味を失う、嫌いになることも考えられるということです。

また、企業側は入社するからには長い期間勤めてもらいたいと考えています。辛い局面もある社会人としての仕事を「好き」が理由なだけで続けられるとは到底思えないのです。そのため、明確な動機があってこのビジネスをやりたいのだ、という強い気持ちを伝えていくことが不可欠となります。

2.仕事に求めるものを具体的に盛り込む

自分が成長するために、あるいは将来の夢を実現するために「自分が仕事に求めることは、◯◯だ」と明確に指し示しましょう。仕事でそれが実現できると、自分がどうなれるのかを一緒に伝えるとさらに説得力のある内容になります。

具体的なやり方としては、自己分析と似た方法で見つけていくのがおすすめです。過去の人生を年表にまとめ、折れ線グラフでモチベーションの上がり下がりの変化を書き、そのときに何があったのか、感じたことや思ったことを書き込んでいくのです。

そして「なぜそう思ったのか?」を自分に問いかけてください。そうすると興味の方向性を作った理由が出てきます。今自分が興味を持っている事業と照らし合わせてみると共通点が見いだせるはず。これを見つけておくと3のエピソードも同時に思い出せますし、誰が聞いても納得できる理由に仕上がります。

3.理由となるエピソードをつける

過去に挫折した体験や成功体験などをもとに、「なぜその仕事をやりたいと思うようになったのか」をまとめていきます。「なぜそこまでの情熱を持っているのか」「この仕事でなければならない理由」を明確にすることで、簡単には辞めないだろうと思われるような入社意欲を伝えることができるのです。

理由となった過去の経験・エピソードのあるなしで大きく説得力が変わってきますので、必ず盛り込みましょう。

■「企業選びの軸は?」と聞かれたときの例文

企業選びの軸を聞かれたときにどう答えればよいか、参考になる例文をご紹介します。

<例文>

「私の企業選びの軸は、『経済に新たな価値を提供し、人の暮らしを支えられるか』です。そう思ったきっかけは私の両親が行っていた事業にありました。製品自体には価値があったものの、販路を開拓できずに廃業寸前の状態でした。しかし、M&Aのお話をいただいたことで販路を持った企業と合併したことで急成長。製品が世の中に浸透し人々の生活を変えました。私はそれを目の当たりにして『経済に新たな価値』が生まれたことを実感しました。後継者や事業推進上の問題があっても、価値がある企業を存続させられる、2つの企業が合併することで新たな価値を生むなど、日本の経済を変えるインパクトのある事業を通じて人の暮らしを支えたいと考えています。」

上記の例文では、先程ご紹介した「企業選びの軸は?」と聞かれたときの答え方のコツ3つをしっかり盛り込んだ発言になっていますね。

1.興味や好き嫌いなどの単純な動機は入れない
「私はそれを目の当たりにして『経済に新たな価値』が生まれたことを実感しました。」

上記の文章で、感情だけではなく絶対にやりたいと考えている強い意志が伝わってくる文章になっています。

2.仕事に求めるものを具体的に盛り込む
「後継者や事業推進上の問題があっても、価値がある企業を存続させられる、2つの企業が合併することで新たな価値を生むなど、日本の経済を変えるインパクトのある事業を通じて人の暮らしを支えたいと考えています。」

上記の文章には具体的に仕事で実現できること、求めることがわかりやすく入っています。なぜそれをやりたいのかを初めて聞いた人でもわかるように伝えることが大切です。

3.理由となるエピソードをつける
「そう思ったきっかけは私の両親が行っていた事業にありました。」

上記から始まる過去の体験エピソードで、家族の事業が成長したという成功体験がありました。人々が幸せになっていくのを見て新たな価値が生まれた実感が湧いた瞬間です。それをもっと広げたいという願望が伝わってきます。製品を手に入れた人も、その企業で働く人の暮らしも新たな価値の提供によって支えられたため、意義ある事業だと感じているのがわかりますね。


■「企業選びの軸」の答え方まとめ

面接でたくさん聞かれる「企業選びの軸」を聞かれたときの答え方と例文をご紹介しました。自分の過去の経験を掘り返し、見つけ出すことで面接官も納得してくれる企業選びの軸を見つけられるはずです。

自分の将来の第一歩となる就活ですから、手を抜かずに振り返ってみてください。きっと就活を成功に導いてくれるヒントが見つかりますよ。


執筆:高下真美

新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。

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