睡眠中、体が動かなくなり悪魔に襲われる。実は多くの人が経験している「インキュバス・サキュバス現象」とは?
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真夜中に邪悪な存在に押し潰されそうになって目を覚ましたことがあるだろうか? それが男の悪魔(夢魔)の襲撃とされる「インキュバス現象」だ。もし女の悪魔の襲来だったら「サキュバス現象」となる。
この現象は典型的な悪夢のものである。昔からインキュバスは眠る者を苦しめると伝えられ、民間伝承や芸術の題材とされてきた。
オランダで実施されたメタ解析によれば、この現象は従来考えられてきた以上に一般的なものであるらしい。そして精神科医は、これを経験する患者の訴えにもっと真剣に耳を傾けるべきであると訴えている。
・インキュバス現象は金縛りの最中発生する
インキュバスの襲撃は通常、金縛り(睡眠麻痺)が起きている最中に発生する。
金縛りは睡眠フェイズの乖離の結果であるとオランダ、ライデン大学のヤン・ディルク・ブロム博士は説明する。
人が眠りに落ちる途中、あるいは目が覚める途中に起きる。金縛りの最中、その人にはレム睡眠の2つの特徴が生じている。
レム睡眠は夢を見ることが多い状態であるが、人体の筋肉は体が動かないくらいまでリラックスしてしまっている。これはおそらく夢に反応して体が動かないようにするためだと考えられる。またこの間、意識が覚醒する。だが、その人は依然として夢を見ており、体も動かない。
「このように麻痺状態にあると、脳の警戒システムが作動し、胸の上に何かが乗っているかのような幻覚を作り出します」(ブロム博士)
するとその人は現実の周囲の環境とそこに投影された悪夢を同時に目にすることになる。この体験はあまりにも生生しい。
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・インキュバス現象は10人に1人以上体験している
『Frontiers in Psychiatry』に掲載されたメタ解析では、カナダ、アメリカ、日本、中国、イタリア、メキシコで実施されたインキュバス現象に関する13本の研究(計1,800名が参加)を調査した。
その結果、全人口の11パーセントがインキュバス現象を体験したことがあると判明した。「つまり一生のうちにそれを経験する可能性は11パーセントだということです」とブロム博士。
つまり10人に1人以上はインキュバス現象を経験しているということだ。
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・精神疾患者、難民、学生ほど遭遇しやすい。
仰向けで寝る人や飲酒、不規則な睡眠も関係。
しかしインキュバスに遭遇する可能性が高い人たちもいた。それは精神病の患者、難民、学生であり、彼らがインキュバス現象を体験する確率は41パーセントであった。
また仰向けに寝る人はこれを経験しやすいことも分かった。飲酒や不規則な睡眠も遭遇確率を上げた。
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・ただの悪夢と侮るなかれ。健康障害を引き起こすことも
インキュバス現象はただうなされただけと軽く見られがちであるが、実は恐怖や妄想性障害のために不安神経症や不眠といった別の問題を引き起こすこともある。
また論文では、インキュバス現象と健康な人が前触れもなく睡眠中に亡くなってしまう突然死症候群との関連性も指摘してる。
「インキュバス現象を訴える人はしばしば酷い不安をも報告します。そうした人の多くは襲撃で本当に死ぬのではないかと怯えています。そうしたことがあり得るのかどうか分かりませんが、そう感じる人がいても不思議はありません」(ブロム博士)
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・インキュバスの姿や性格は文化的背景によって異なる
解析結果からは、インキュバスの姿や人々のこれへの反応が文化的背景によって大きく異なることも判明した。例えば、イスラム教徒の患者はインキュバス現象についてジン(精霊の一種)が存在する証拠と述べていたという。
だが中には友好的で楽しいインキュバスもいるようだ。
「健康な15歳の少女は、胸の上に小さなペンギンが4匹いて、テーブルで食事をしていたと話してくれました。怖いと言うよりもワクワクして、楽しくなってきたそうです」(ブロム博士)
References:livescience
金縛りは何度か体験したことがあるが悪魔的なものを見たことはない。だが、悪魔的なものがかわいいペンギンに見えている人もいるということは受け止め方次第ってことなのか?むしろ金縛り状態に入ったら、拘束されている感を楽しむことで悪夢がハッピードリームに変わるのかもしれない。ちょっとやってみたくなってきたぞ、金縛りかもーん!(求めているときにはこないっていう
本記事では10人に1人以上という割合で起こるとされているインキュバス(サキュバス)現象。みんなは経験したことがあるかな?追記(2017/12/25): 本文の一部を修正して再送します
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