ブラックバイトの裏に“ブラック店長”あり? サービス業人材難時代の処方せん (3/5ページ)

新刊JP

ちゃんと説明をして、こういうための仕事だよと伝えると真面目に取り組んでくれます。そういった意味からも、手間をかけるべきでしょうね。

――「OJTという名のぶっつけ本番は、バイトが辞める元凶」とはっきり書かれているのは痛快でした。

平賀:そうです。OJTって、もともとは座学だけでは身につかない部分を実戦で取り組んで成長するという意味で使われていました。それが今はいきなり実戦投入の意味合いに変わってきています。これは働くほうからすると厳しいですよね。

――そういう意味で、本書に書かれているスターバックスの「現場に出る前に80時間の座学時間を設ける」という方法は目立ちます。

平賀:仮に時給1000円だとすると、80時間で8万円の給料が支給されます。まだ戦力になっていないのに。しかしこれは経済合理性にも合っています。今、一人採用するのに10万円の費用がかかると言われていますから、これで定着してもらえたら、その後10万円の費用をかけて新たに人を雇う必要もなくなります。生産性も高まりますし、新人教育の回数も減るので、全体の負担も減りますよね。

――この本では「Special Interview」として、個性的な3社の企業を平賀さんがご紹介しています。それぞれの特徴を教えて下さい。まずはスープストックトーキョーさんです。

平賀:スープストックトーキョーは、飲食業界では非常に珍しいタイプの企業です。長く働くことが当たり前という考え方が前提にないのです。

それはこの会社の成り立ちに起因していて。「スープストックトーキョー」を立ち上げたスマイルズはもともと三菱商事のスピンアウト事業として始まりました。だから「叩き上げで店員から店長になり、独立して自分の店を持つ」という飲食店スタンダードルートを辿っていないんです。

――インタビューを読ませて頂いて、教育体制がしっかり整っている印象がありました。

平賀:そうです。インタビューした人事開発部部長の江澤さんは、まだ30代半ばなんですが、自分がパートナー(アルバイト)から社員になり、店長、エリアマネージャー、新規事業を経験して人事の最高責任者と、スープストックトーキョーの中にあるプロセスを登り詰めてきた方です。だから働いている人すべての気持ちが分かるんです。

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