世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第252回 プライマリーバランスという毒針 (2/3ページ)

週刊実話

この空気こそが、財務省のPB黒字化目標に正当性を与えてしまっているのだ。空気を変えるためには、やはり「言論」を動かさなければならない。特に、緊縮路線を進み続ける安倍政権を、「正論」に基づき批判しなければならないのだ。

 率直に書くが、安倍政権の支持者たちこそが(筆者は違うが)、むしろ積極的に安倍政権の緊縮路線を攻撃するべきだ。何しろ政治とは安倍総理本人が語った通り、「結果」がすべてなのである。そして、安倍政権の「結果」は、緊縮路線の継続だ。
 「安倍総理は、財政拡大が必要だと理解している。素晴らしい」
 などと総理を褒めたたえたところで、結果的に緊縮路線が継続するならば、わが国は「亡国」に至る。

 筆者が総理と会食した同日、'18年度の与党税制改正大綱の原案が明らかになった。所得税改革として、年収850万円超の会社員は所得控除が縮小され、増税だ。
 財務省は、
 「多様化する働き方に対応するため、誰もが使える基礎控除を増やし、高所得の会社員向けの給与所得控除を減らす」
 と、説明しているが、全体としては1000億円近い「増税」になる。
 もちろん、高所得者層に増税することは現在の日本にとって必ずしも間違っているとは言えない。とはいえ、それは高所得者への増税を財源に、低所得者層の負担を軽くする再分配政策があってこその話である。現在の日本政府は増税で国民の所得を巻き上げ、負債返済に充てるという最悪の路線を採っている。確かに負債返済によりPBの赤字は縮小するが、その分、日本国民が「貧困化」していく。

 日本政府は第二次安倍政権が発足した'12年以降、PB赤字を激しく縮小させた。'11年に44.7兆円だったPB赤字は、'15年には18.6兆円。何と26兆円もの縮小だ。安倍政権の過激なPB赤字縮小がなければ、わが国の需要(GDP)は少なくとも5%超大きくなっていたはずで、とっくにデフレ脱却を果たしていただろう。
 しかも、10月の総選挙の際には「所得税改革」の「し」の字も出てこなかった(消費税の議論はあったが)。選挙が終わった途端に当たり前のように「所得税改革」が推進され、増税が決まる。
 所得税増税に加えて、出国税(観光促進税)、たばこ増税と、次から次への増税路線。

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