世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第252回 プライマリーバランスという毒針 (3/3ページ)

週刊実話

さらには診療報酬、介護報酬の同時引き下げの推進。これが安倍政権の「結果」なのだ。
 何しろ、PB黒字化目標という「毒針」を抜くことができていない。高齢化により社会保障支出が増加する以上、'19年の消費税増税、さらには所得税等の増税、社会保険料の引き上げ、診療報酬・介護報酬の削減、公共投資削減、防衛費や科学技術予算、教育予算、食料関係費等の抑制は「既定路線」なのである。

 例えば、総理との会食において「農業問題」でも議論し、少なくとも、
 「日本のコメ等を輸出し、食料生産能力を維持するには、輸出補助金(アメリカのように)を付けなければならない」
 という点は一致を見たのだが、結論は、
 「とはいえ、PB黒字化目標があるから、できない」
 というのである。

 すなわち、日本国の行く末は「PB目標を破棄できるか否か」に絞られている。最低でも、'18年6月の閣議決定の際にPB目標を破棄できなければ、話にならない(それが実現したとしても、予算に反映されるのは'19年度からなのだが)。
 PB黒字化目標という「毒針」を抜くためには、世論や政治家の空気を「財政拡大」「反緊縮財政」の方に動かさなければならない。さもなければ、誰が総理大臣であってもPB目標破棄は不可能なのが現実の日本なのだ。

 今回『財務省が日本を滅ぼす』の著者である筆者が総理と会食し、「PB黒字化目標が問題」という点について合意を見たことは、政治的に影響する可能性がある。とはいえ、筆者と総理が合意したところで、世論や多くの政治家が変わらなければ、このまま亡国まっしぐらというのが日本の現実なのである。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。

「世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第252回 プライマリーバランスという毒針」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る