アルコール入ってるけど、お酒に胃腸や喉の殺菌効果はあるか?
年末年始で20歳以上の人たちはお酒を国にする機会も増えているだろう。
お酒にはアルコールが含まれている。でもってアルコールは一般的な消毒剤である。ゆえにお酒は消化器系の感染症予防に効果があるのではと考える人がいても不思議ではない。では実際にどうなのだろう?
お酒を飲んで胃腸や喉の殺菌をすることはできるのだろうか?
お酒の種類やアルコール濃度によって効果が違うのだろうか?
アルコールが強いと抗菌できても体にダメージを与えないか?
それらの疑問をすべて科学的に検証し、お酒を消毒薬代わりに使うかどうかを総合的に考えてみよう。
・赤ワインには抗菌作用があることを確認

ワインは昔から殺菌効果があることで知られてきた。3世紀のローマの将軍は、赤痢予防にワインを飲むよう兵士に推奨している。
1988年、ある研究でワインをはじめとする飲み物の抗菌作用が調査された。ワイン、炭酸飲料、ビール、スキムミルク、水にサルモネラ菌、シゲラ、大腸菌といった感染性腸内細菌を入れ、2日後に観察したところ、赤ワインの細菌はかなりの打撃を受けていた。ビールと炭酸飲料にもそうした効果が認められたが、ワインほどではなかった。
数年後、ワインの抗菌作用の源を探ろうとまた別の実験が実施された。研究者は赤ワインにサルモネラ菌を入れ、それをアルコール度数とpHを同様に調整した溶液と比較。
赤ワインには、溶液以上の強力な抗菌作用があることが観察された。その抗菌作用の大部分はpHとアルコール度数に起因するものであるが、それだけではないことが判明した。
・アルコール度数が高いほど抗菌作用が上がる

アルコール度数は確かに抗菌作用において重要な要素だ。手を消毒するには、60~80パーセントの高濃度アルコールが最適であると考えられている。
アルコールの口内細菌に対する浸透度と殺菌効果を調査した研究では、40パーセント未満の度数になると細菌の繁殖を抑える効果がかなり弱まることが判明している。度数が10パーセントになると、ほとんど殺菌効果はない。
また暴露時間も重要だ。40パーセントのアルコール(ウォッカと同じ度数)なら、15分以上暴露させれば、6分の時と比べて、細菌の繁殖抑制効果がかなり上昇する。そして、この度数なら1分以上でも口内細菌を殺菌する作用が多少はある。
・ただしアルコール度数が高いと胃にダメージを与える

47名の健康なボランティアを対象とした実験では、胃カメラを飲んでもらっている最中、度数の異なるアルコール(4パーセント、10パーセント、40パーセント)と食塩水(対照群として)を胃の下部に直接噴霧して、その影響を観察した。
するとアルコール度数が高いほどに、胃にダメージが生じることが確認された。典型的なダメージは出血を伴う浸食である。
しかし小腸には同様のダメージは生じなかった。また高度数アルコール(10パーセント以上)によるダメージは回復まで24時間以上を要した。
理論上、十分度数の高いお酒を摂取した場合(あるいは口の中に1分以上含めた場合)、腸内および口内の細菌はかなりの数が死ぬだろう。が、同時に胃壁を痛める可能性も非常に高い。
また、アルコールを定期的に使用すると、小腸に潜む細菌を過剰に増殖させる結果にもつながる。これは下痢、悪心、嘔吐のようなアルコール依存症患者によく見られる消化器系の症状に関連していると考えられてきた。
・結論:理論上殺菌効果はあるが、胃腸を痛める危険性も高い

理論上、十分アルコール度数が高いお酒を、腸や口内の組織にきちんと暴露させれば、殺菌作用を得ることは可能だが、同時にそれで胃腸を痛める可能性も高い。
ということで、喉や腸内の消毒を行うという目的でお酒を常用することはあまりオススメできない。だが、もし怪我なんかをした場合、手元にウォッカがあれば、それはそれで消毒薬代わりにはなるだろう。
References:theconversation / sciencealert/ translated by hiroching / edited by parumo