宇宙をモデルにした1000年前の石造祭壇が発見される(メキシコ)
今から約1000年前のものとされる石造祭壇がメキシコ、イスタクシワトル火山の麓(ふもと)で発見された。
メキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)の調査によると「テツァクアルコ(tetzacualco)」と呼ばれるその石は宇宙をモデル化したものだという。
・原始の時空を象徴する石造祭壇
この石造祭壇は池の中に設置されていた。石、セラミックの破片、石質物質、宝石細工、有機残留物で出来ており、アステカ文明で信仰されていた雨の神「トラロック」に関係する。
自然の池にテツァクアルコが置かれていることや、水面が反射し、そこから祭壇が出現するような光の効果が得られることは、この場所が原始の時空を象徴するものであることを示唆していると、INAHと発表している。

image credit:Arturo Cruz, Terrasat Cartografía
「このあたりでセラミック素材が発見されました。そのいくつかはコジョトラテルコCoyotlatelco/750~900年)、マサパ(Mazapa/850~900年)、トジャン・コンプレックス(Tollan Complex/900~1150年)と判明しています。これら合わせて、300 x 100メートルの範囲がカバーされます」と考古学者のイリス・デル・ロシオ・エルナンデス・バウティスタ氏は話す。

image credit:Arturo Cruz, Terrasat Cartografía
・アステカ王国時代のものなのか?
バウティスタ氏によると、さらに以前は浮いていた石があり、それはワニの女神である「シパクトリ(Cipactli)」を象徴しているという。
古代アステカ王国の神話では、シパクトリが原始の海で体から離れて浮かび上がったことで、空と大地が生まれたとされる。

image credit: シパクトリ - Cipactli - ウィキペディア
「こうした視覚効果に加え、この地を構成する要素の特徴やそれぞれの関係から、石造祭壇、テツァクアルコが表しているのは、原始の海や神話の時空の始まりを連想させる宇宙の縮図ではないかと推測されます」とバウティスタ氏。
だがアステカ王国は、1300年くらいから1500年くらいまで存在したとされるメソアメリカ文明国家である。テツァクアルコは1000年前のものと推測されることから、アステカ王国建国よりも3世紀は古い。
本当に1000年前のものなのか、アステカ王国時代のものなのか、現在もその調査が行われているという。
References:inah / livescience/ translated by hiroching / edited by parumo