世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第253回 アジアの片隅にある貧困の移民国家 (3/3ページ)
その割に、オーストリアの移民人口比率は、欧州でスイスに次ぐ2位なのだ。オーストリアの移民人口比率は、あのドイツすら上回っている。これで、国民の不満が高まらなかったら、そちらの方が不思議だ。
もっとも、移民人口比率が17.46%にも達しているオーストリアが、今から移民制限に乗り出し、「オーストリア国民の国家」を取り戻せるのかは疑問だ。オーストリアの状況は「手遅れ」の可能性が高い。これこそが、移民問題の最も恐ろしい点だ。また、移民問題は国民を分断する。実際、オーストリアでも「反移民政権」誕生に反対するデモが起きているわけである。
移民問題は、「国民対移民」という問題に加え、「国民対国民」という争いをも生み出す。移民流入それ自体に加え、移民に対する「考え方」「姿勢」までもが、ナショナリズム(国民意識)を破壊するのだ。
わが国はオーストリアに倣い、「手遅れ」になる前に移民制限に乗り出さなければならない。
日本国民は、果たして、
「アジアの片隅にある貧困の移民国家」
を望むのか? という話なのである。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。