西郷どんと維新の策士たちの「オモテ」「ウラ」(3)西郷はどんどん暴走していた!! (1/2ページ)
河合 新春から始まるNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」は楽しみですね。
美甘子 まだ詳しく知らないんですが、西郷さんと大久保利通のちょっと仲いい感じとか、ボーイズラブ的なところもあるという噂が聞こえてきていて‥‥。
河合 薩摩では、年長者が年下の者たちの面倒を見るという教育制度が昔からあり、そういう中で今から見るとボーイズラブ的な男同士の関係というのもあったかもしれません。
美甘子 大久保がいなかったら西郷さんはどんどん暴走して大変なことになっていたかもしれませんね。
河合 西郷っていう人は、けっこう気分屋さんで、江戸を攻める強硬派だったはずなのに、勝と会談して江戸を攻撃せず慶喜の首も取らないということをその場で約束してしまい、京都に戻って大久保に話すんですが‥‥。
美甘子 それまで言っていたことと違うじゃん、みたいなことですね(笑)。
河合 そういう西郷に大久保はいつも翻弄されるんですが、大久保は絶対にぶれないんです。大久保は岩倉使節団に加わって1年3カ月外国を見てくるんですが、日本に帰国してから、征韓論を巡って大久保と西郷は激しく対立、敗れた西郷は下野(げや)します。その後、西郷は不平士族に担がれ西南戦争を起こして死んでしまうわけです。確かに西郷は人望があったけど、日本の近代化の礎を築いたのは大久保利通だと思うし、彼をもっと評価すべきだと思います。
美甘子 同じ鹿児島の同じ町の出身の偉人なのに、やはり西郷さんなんですね。
河合 人物の評価というのは、見方によって変わるものです。歴史は一面的に見るのではなく、複眼的にいろんな見方をしないといけないと思います。
美甘子 私は「西郷どん」で、まだ発表されていないですけど、龍馬役は誰がやるのかというのがいちばん興味がありますね。