広瀬すず『anone』で”ゴリ押し女優”から脱皮も第2話は7.2%に急落
広瀬すずが主演を務める連続ドラマ『anone』(日本テレビ系)の第2話が1月17日に放送され、平均視聴率は初回の9.2%から2ポイント下げ、7.2%(ビデオリサーチ調べ)だったことが分かった。いきなり視聴率を大幅に下げることになったのは、初回を見て「暗すぎる」「意味が分からない」といった人が多かったことが関係していそうだ。
だが「人は手に入ったものじゃなくて手に入らなかったものでできている」「愛してくれなかった人の方が心に残る」「目覚ましスヌーズするやつは、人生もスヌーズするんだよな」といった心に刺さるセリフがあらゆる場面にちりばめられており、SNS上ではお気に入りの名言をツイートする人たちも。早くも脚本家・坂元裕二氏の“美しい言葉遊び”に魅了される人たちが続出している。一方で、第1話では「名言っていい加減ですもんね」というセリフが出ているように、“ことば”にばかり注目するのは勿体なさすぎる。
第2話では、偽札の存在に気付いた辻沢ハリカ(広瀬すず)が、林田亜乃音(田中裕子)の元を訪れる。そこで、札束を作ったのは亜乃音のすでに亡くなった夫・林田京介(木場勝己)であること、娘の青島玲(江口のりこ)とは19歳に失踪したきり会えていないことを知る。しかも、ハリカが偶然みつけたポーチの中には、京介と玲が仲良く映っている写真が。探していた娘は息子を産んでシングルマザーとなっており、失踪していると思っていたのは自分だけで、実はずっと夫と娘はつながっていたのだ。そして、ショックを受ける反面、自分は産みの親ではないため「こうなったとしても受け入れないといけない」と感じている様子。
田中裕子は同脚本家が手掛けた2013年に放送された『Woman』にも出演しており、その時も「演技力がさすがすぎる!」「リアリティーがあって凄い!」といわれていたのだが、今回も同様にこのドラマの主軸をひっぱっていってくれている。大女優に「演技が上手い!」というのもおこがましい話だが、まさに「田中裕子なくしてanoneなし」といった感じ。ドラマの中の人物を演じているという風に見えないリアルさが、視聴者を惹きつけるのであろう。
しかし、主演の広瀬すずも負けていない。ドラマが始まる前までは全く期待されていなかった彼女だったが、蓋をあけてみるとバッサリ切ったショートヘアが、荒んだ表情と見事にマッチ。これまでは、キラキラと輝くヒロインという役どころが多くいかもにも“広瀬すず”感が漂った芝居が多かったのだが、意外にもシリアスな演技がハマっているのだ。そこにいつもの“キラキラヒロイン”感は皆無。表情やしぐさ、纏う雰囲気で視聴者を惹きつける田中と共演することによって、このドラマを通してまだまだ進化していきそうな勢いだ。
さらに、『anone』では青羽るい子(小林聡美)と持本舵(阿部サダヲ)のコンビもいい味を出している。「ハリカと亜乃音」だけのシーンが続くと、テーマが重すぎて暗くなってしまうのだが、舵のどこか天然なところと、るい子のサバサバとした投げやりなしぐさによって雰囲気が一変して明るくなる。そのため、「親と子の孤独」や「人間の本質」という重たいテーマのドラマであっても、後味が悪くならずに見続けることができるのだと思う。
予告では、俳優の瑛太が登場し亜乃音と親しげに会話しているシーンが映し出されていたが、これからこの4人とどうかかわっていくのか気になるところ。「広瀬すずが苦手」「坂元裕二のドラマは暗い」と思っている人は一度先入観をなくして、観てみることをおすすめする。
文・吉本あや