楽天 三木谷社長が仕掛ける新事業の危うさ (2/2ページ)
「ドコモが約7500万、KDDI約5000万、そしてソフトバンクは約3900万。トータルで1億6400万ユーザーで、日本の総人口を上回る飽和状態にある。ここから1500万ユーザーを確保するには、かなりの格安定額料金設定や使い勝手がいいものでないと厳しい」
それでも楽天は、三木谷浩史社長(兼会長)自ら先頭に立ち、携帯キャリアの認可取りに打って出た。そうした新規事業に傾注する背景には「“楽天商法”に影が差し始めた」という声もあるからだ。
「楽天は、'16年12月期の連結決算で純利益が前期比14%減の379億円と、2期連続で減益の状態。楽天市場はもともと、店舗が自由にサイトを構築できるモール型で、出店者に場所貸しする大家的存在です。ところが、出店者によって同じ商品でも価格が高いところや安いところもあり、利用者から利用しづらいとの声も出ている。加えて、楽天はポイント制度なので、その負担も大きい。そこへきてアマゾンはサイト自体が使い勝手がいいとの評判もあり、主役の座が奪われているのです」(前出・アナリスト)
MMD研究所(モバイルマーケティングテーマ研究所)調査では、'16年上半期に最も利用されたネット通販サイトは、アマゾンが約77%。楽天は約48.3%と差が拡大している。
「そのため楽天は携帯事業に参入することで、契約者向けにポイント優遇をすることで流通総額を伸ばしたいと考えている。つまり、これまで行ってきたECビジネスから、会員情報を中心に据えたデータビジネスに順次、切り替えていきたいのです」(EC事業関係者)
しかし、問題はストレスのないインフラを6000億円程度で整えられるかだ。
「携帯参入の発表直後には、採算性を懸念して楽天の株価が急落したほどです。どうも新規事業の分野がちぐはぐとのイメージがあり、うまく展開していない例も多い。その典型が、サッカーのFCバルセロナとスポンサー契約を結んだ例。ユニフォームに今後4年間、RAKUTENのロゴが入るのですが、その費用が年間64億円。昨年7月、楽天本社にメッシやネイマールが来日して、ユニフォームのアピールで大いに盛り上がったが、直後にネイマールがパリサンジェルマンFCに移籍し、宣伝効果にいきなり暗雲が立ち込めている。そうしたことも、楽天の見立てが不安視される理由になっているのです」(前出・アナリスト)
今度の新規事業は、吉と出るか凶と出るか。