深海のエイリアン、腹面に無数の発光器を持つ希少種、ワニグチツノザメの生体が引き揚げらられる(台湾) (2/3ページ)
学名「Trigonognathus kabeyai」の属名「Trigonognathus」 はギリシャ語の trigonon (三角形) とgnathus (顎) を示すもので、に、種小名「 kabeyai」 は精漁丸の壁谷氏の名に由来したものだ。
・小さな体に尖った歯と発光する下腹
発見されて以降、ワニグチツノザメは日本、台湾、ハワイで発見された。体長17~54センチと体は小さく、海底付近から中層までの深さで暮らす底生遊泳性(benthopelagic)であると考えられている。2003年の研究によると、餌は硬骨魚や甲殻類だそうだ。
特徴的なのは尖った歯と光る下腹である。サメの仲間の歯は切り裂きやすいように進化しているが、ワニグチツノザメの場合、イヌ科の動物のように細く尖り、歯と歯の隙間が広い。
また獲物を狩る際、顎を前方に突き出せる可能性もある。「これが観察されたことはないが、奇妙な形の顎はすばしっこい獲物を捕まえる際、さっと前方へ伸びる可能性が高い。それは深海のゴブリンシャークにも似た特徴だ」と2014年の論文にはある。
1990年の研究によると、腹と頭部の下に発光器が並んでおり、発光能力を備えたカラスザメ属の仲間だと考えられている。
体の残りの部分は皮歯という、丈夫なV字の鱗によって覆われている。これは水の抵抗を減らし、泳ぐ速度を上げる効果がある。
だが、なかなか網にかからないのはこれによって素速く泳げるからではなく、小さくスリムな体型が主な理由である。