のぞき機械、1人せせり…そして春画。江戸時代、男女はどのように自慰を楽しんでいたの?
江戸時代に有名な浮世絵師も多く描いていた春画。春画では交わりの場面が多く描かれていますが、男女ともにひとりでも性行為を行っていたようです。そういった春画作品も多く残されています。男性の場合「千擦り(せんずり)」と呼び、五本の指で先端から上下に動かして刺激を与えるのが、一般的でした。
トイレが長いときは、・・・の真っ最中?江戸の町では、さかりがついた犬が交尾する情景もよくあること。そんな情景を見かけた後に魅力的な女性を見かけたら、ムラムラしちゃう人もいたのかもしれません。ときには、見せ物の「覗き機械(のぞきからくり)」で興奮して自慰することもあったそう。
この覗き機械というのは、お金を払って箱の中を覗くと、中に色付きの絵が次々と展開して、その絵を楽しむというものですが…色模様の絵を見せる機械もあったそう。これを見ると、自慰したくなる男も少なくなかったとか。そして自慰に格好の場所といえば、始末が簡単にできる後架(こうか)です。つまり、トイレのことですね。後架からなかなか出てこない男がいたら、もしかしたら千摺りの真っ最中だったのかも。
そして手でするだけでなく、道具を使うこともあったよう。故郷に妻を置いてきて城に勤番している武士は、さびしくなることもしょっちゅう。女陰のようなつくりをしている吾妻形に出し入れしながら、遠く離れた妻を想っていたのでしょう。
女性もあの手この手で満喫?「1人せせり」ひとりの時間を楽しんでいたのは、女性も同じ。艶本や春画を見ていると、そんな気分になるのも自然なこと。若い尼も、自分の性欲を満たすためには「1人せせり」が欠かせませんでした。死んだ亭主を思い出しながらも体を持て余す後家も、1人せせりする夜もあったとか。後家になるとここぞとばかり言い寄ってくる男もちらほらいるけれど、そんな男と関わりを持っても、後々面倒なことになるだけ。そう悟っていたのでしょうね、きっと。
そして、自分の指だけで満足できないと、やはり張形が必要になるのです。張形以外のものだと、大根や長茄子、胡瓜、さつまいもなどを使う女性もいたとかいないとか。江戸時代は、いろんな場所であけっぴろげに性交をしていましたから、それを覗き見してしまった女性が、淫らな気持ちになってしまうのは避けられません。
性交をするのもいいけれど、自分が気持ちよくなることは自分が一番良く知っているもの。1人で気持ちよくなるのも、また至福のひとときなのかもしれませんね。
参考文献:江戸の艶本と艶句を愉しむ、大江戸性愛学
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan