キース・ヘリング生誕60年記念「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」開催 (2/5ページ)
社会における階級や地位、性別や人種、宗教や文化の違いに関係なく誰もが触れることのできるアートを追求したヘリングの作品は、テロや戦争の耐えない現代社会へ時代を超えてパワフルなメッセージを投げかけ続けています。
本展では、新しく収蔵作品に加わる1990年の作品《オルターピース:キリストの生涯》を初公開します。これは1990年2月16日31歳でエイズにより亡くなる数週間前に完成した最後の作品です。教会の祭壇のためのオルターピースとして現在世界の教会や美術館9箇所に収蔵されていますが、ヘリングの追悼式が行われたニューヨークのセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂に今も飾られています。死を目前にしたヘリングの平和への願いと希望、そして生命の力が刻まれた永遠の作品です。
<中村キース・ヘリング美術館について>
当館は八ヶ岳の裾の尾に位置し豊かな自然環境に包まれ、古代縄文文化が隆盛を極めた土地に2007年に建設されました。標高1,000メートルの創り出す環境は、生命を育む母体のサイクルと似ているといわれています。
コレクションは、当館創設者中村和男が1987年より蒐集している約200点のキース・ヘリングの作品からなり、アーティストを多角的に考察することができます。展示空間はキース・ヘリングと彼が駆け抜けた時代の「光と影」を根底とした空間で構成されています。赤と黒の大胆にカーブしたルーフや波動や稲妻を表現した外壁は、ヘリングの作品に通底するプリミティブな生命のエネルギーをも表しています。これら一連の設計は、日本の現代建築をリードする北川原温氏によるものです。この設計は、第21回村野藤吾賞、日本建築大賞(2009)を受賞したほか、二度にわたり山梨県建築文化賞を受賞しています。
2015年春には「美術館を超えた美術館」をテーマにリニューアルオープンをいたしました。ヘリング芸術を引き継ぐ新しいアートで現代社会の声を提示することを目的とした二つの新しい展示スペースおよび芸術活動の一環としてヘリングが創った〈ポップショップ〉の遺志を受け継ぐ、中村キース・ヘリングポップショップの空間が拡張されました。