賞金1億円の大会に、プロライセンスの導入。今年は『e-Sports』がアツい!
ゲームが大好きでたまらないという人なら、「あ~、こんなにお金や時間を投資している趣味が、何かの役に立てばいいのに!」とか、「この神プレイを誰かに見てもらいたい!」と思ったこととがあるのではないだろうか?
そういう人に知ってもらいたいのが「e-Sports」だ。
e-SportsはElectronic sportsの略で、パソコンやゲーム機を使って行われるゲームのことである。
世界におけるe-Sportsの競技人口は1億人にも達すると言われ、市場は年間約30%成長し、プレイヤー人口も年間15%増という右肩上がり。
2022年のアジア競技大会のメダル種目に採用され、一回の賞金が20億円をかえる大会もあるのだ。
トップレベルのプロゲーマーになれば、大会の賞金やスポンサー収入、動画の配信などで生計を立てることもできる。
日本では良い年をした大人が「ゲーム大好き!」と声を大にして言いづらい雰囲気があるし、下手すると「ゲーム廃人」「オタク」という偏見の目にさらされることもある。
だが欧米に行けば、有名なプロゲーマーはスポーツ選手のようにサインや握手を求められる輝かしい存在だ。
お隣の韓国では、ケーブルテレビにe-Sports専門チャンネルがあり、24時間ゲームに関する放送が流される。
テレビに出るゲーマーはきちんとヘアメイクし、タレントにように扱われるため女性ファンも多く、韓国の小学生のあこがれの職業ランキングにはプロゲーマーが常にランクインしている。
いったい、日本と海外でどうしてこんなに差が生まれたのだろうか?
e-Sportsの歴史をさかのぼってみた。
▼ゲーム大国日本がe-portsが発展しなかった理由とは?
参照:ESL Magazine
https://www.eslgaming.com/article/five-storylines-follow-intel-extreme-masters-oakland-3788
ゲーム大国である日本では、なぜe-Sportsの分野で後れを取ってしまったのだろうか?
いろいろ理由は考えられるが、1980年代から1990代にかけては、パソコンを使ったオンライン対戦を行うタイトルがe-Sportsの主流だった。
欧米では自分のパソコンを友人の家などに持ち寄り、ゲーム内のスコアを競う「LANパーティー」が好まれていたため、e-Sportsが発展する土壌があった。
しかし、日本ではファミコンが空前のブームを巻き起こし、欧米の影響で流行り始めていたPCゲームを一掃。
それ以後、国内ゲームメーカーは軒並み家庭用据え置き型ゲーム機に尽力することとなる。
ファミコンは子供向けのタイトルが多く、競技性や戦略性の高いe-Sportsにはつながりにくい。
また「ゲーム脳」などゲームの負の部分がメディアで強調された影響で、欧米のように「大勢でゲーム観戦を楽しむ」というムードが阻害されてしまった。
2000年代に入り、国内でも賞金をかけた大会が開かれるようになったが、今度は法律的な問題が発生。
高額な賞金を賭けてゲームで戦う大会は、賭博法や景品表示法に触れるため、賞金は最大10万円までという制限がついた。
世界では億単位の賞金を賭けた大会がバンバン開催されているのに、国内大会が10万円ではいまいち盛り上がりに欠けるというもの。
ゲームで生計を立てるプロゲーマーたちはたびたび海外遠征していたが、彼らを驚かす事態が発生した。
フランスのユービーアイソフトが開催する、FPS「レインボーシックス シージ」世界大会で「日本人が優勝した場合のみ賞金を受け取れない」という規定が発表されたのだ。
日本の賭博法や景品法は海外で開催される大会には関係がないのだが、おそらくその点が誤解されたのだろう。
規制が足かせとなり、日本ではe-Sportsが発展しないという悲憤がこめられた「おま賞金(※賞金は出すが、おまえの国にはやらないの意)」という造語がネットで流布された。
▼e-Sportsの発展を政府も後押し
しかし、世界のe-Sportsの市場が拡大するにつれ、ゲームメーカーを中心に日本でも「これ以上遅れをとってはならない」という気運が高まった。
現状、プレイヤーから参加費を徴収して賞金にあてたり、課金プレイヤーが優遇されたりする仕組みだと、規制に引っかかる。
「それなら、参加費無料ですべてのレアカードを大会で開放するならいいよね?」ということで、DMM がRAGEと提携し、スマホカードバトルゲーム「シャドウバース」の大会を開催。
高額賞金ありの大会を合法的に開催する方法を確立した。
2018年12月に東京都内で行われる世界大会では、優勝賞金がついに国内最高の100万ドル(1億1000万円)に引き上げられる。

引用:「シャドウバース」公式サイト
URL:https://ragee-Sports.jp/2018spring/
また、過去数カ月の間に、eスポーツの4団体が消費者庁と交渉し、プロのeスポーツ競技者へのルール適用を免除する回避策に至った。
これにより、複数あったe-Sportsの団体は一つに統合され、新団体が国やゲームメーカーも認める公式プロライセンスを発行することが決定。
ライセンスを持つプレイヤーであれば、高額賞金を「プロへ支払う報酬」とみなすことが可能になるため、法的な問題をクリアできるのだ。
2月10日、11日に行われる「闘会議2018」では、「ウイニングイレブン2018」「ストリートファイターV アーケードエディション」「鉄拳7」「パズル&ドラゴンズ」「モンスターストライク」の5タイトルで初のプロライセンスを発行し、高額賞金の贈呈も実施される。
今年に入って、自民党もe-Sportsの大会開催に向けて環境を整備する方針を発表。
国を挙げてe-Sportsを支援する体制が固まりそうだ。
2月はプロライセンスをかけた「闘会議2018」が開催され、3月にはももち、梅原大吾、チョコブランカといった有名プロゲーマーに迫るドキュメンタリー映画「リビング ザ ゲーム」が公開。
4月は人気スマフォゲームの「パズドラ」がe-Sportsをテーマにしたアニメを放送するなど、業界をにぎわせるニュースが目白押しだ。
パズドラはアニメ配信と同時に、パズドラチャレンジカップを全国で開催する。
予選は幅広い世代が訪れるイオンモールで行われるので、ライトユーザーや低年齢層の参加も増えることが予想される。

画像引用「ファミ通APP」
URL:https://app.famitsu.com/20180111_1214598/
長い間規制に苦しんできた日本だが、突破口の見えた2018年は、ゲーム好きを熱狂の渦に巻き込んでいくに違いない。
しかし、ゲームがスポーツと同じくらい支持されるためには圧倒的な数のライトユーザーやファン層が必要である。
バイレーツでは今後も注目のニュースや人を紹介することで、国内のe-Sportsの盛り上がりに寄与していきたい。
ライター:三原明日香