ビートたけしの名言集「背筋を伸ばしたら、170センチあるんだ」 (1/2ページ)
殿も人間です。天然チックな発言をすることが、わりとあります。
去年、とある番組の打ち合わせのあと、テレビスタッフさんたちと、何てことのない談笑タイムとなり、なぜか“オイラが若い時の日本は、学生運動が流行っていた”といった話題になったことがありました。
ひと通り、“かつての日本”の話で盛り上がると、話題は一度、その時代の演劇やら音楽やらと、60年代安保あたりの“あの頃の新しい文化”に移行。すると、
「そんなにジャズには詳しくなかったけど、ジャズ喫茶でバイトをしてたから、客のリクエストで毎日レコードをかけてるうちに、すっかり詳しくなったんだよね」
と、“たけしのバイト時代”話に花が咲き、大いに盛り上がったのです。
で、その時、一人のディレクターの方が、「たけしさんは、実際に運動はされていたんですか?」と、改めて、学生運動時代の立ち位置について尋ねたのですが、殿は食い気味に即答で、
「うん。1年の時に野球をね」
と、部活での運動経験について答えたのです。この時、その場にいた誰もが“えっ! 運動って学生運動じゃなくてスポーツ!?”といった空気になり、質問をしたそのディレクターも、一瞬、〈えっ! 野球???〉といった顔になったのですが、瞬時に、〈あっ! これはたけしさんが勘違いされたんだな〉と理解し、すぐさま、「たけしさんは野球ですか‥‥」と、なんとか話を合わせていました。殿はその後も、
「背がちっちゃいだけで、セカンドをやらされたから、嫌になって辞めちゃったんだよ」
と、勘違いに気付く様子もなく、野球の話を続けたのです。
今さらわたくしが申すまでもありませんが、どんな場でも、会話の流れを瞬時に読むのが大変得意な殿にしては、恐ろしく珍しい勘違いでした。ちなみにわたくしはこの時、「殿は野球ですか! なるほどな~」と、誰よりも大きなリアクションを取らせていただきました。
で、お次は、やはり去年、殿の現役運転手から「北郷さん、殿が今日、車の中でいきなり意味不明なことを言ってきたんです」と、タレコミがありました。