販売店の店主らが謎の連続自殺?経営圧迫する大新聞社の”押し紙問題”

デイリーニュースオンライン

Photo by PHOTO AC(写真はイメージです)
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 ここ数年、朝日、日経、毎日、読売といった各地の全国紙新聞販売店の店主たちが、次々と謎の連続自殺を遂げている。その背景に新聞自体の急激な売り上げ不振と、販売店を圧迫する悪質な「押し紙」の存在が浮かび上がる。

 2月14日、東京都・九段南の毎日新聞販売店で火事があった。発表によれば、この火事で3名が巻き込まれたというが、早くも「自殺だったのでは?」と憶測が乱れ飛んでいる。というのも、ここ数年で各地の新聞販売店で経営不振を苦に自殺が相次いでおり、昨年末には東京・大手町の日経新聞社東京本社ビルのトイレで販売所長をしていた男性が自殺。2月10日発売の『文藝春秋』(文藝春秋社)では「日経本社に対しての『抗議の自殺』ではないか」と報じている。

 同記事は日経本社での一件だけでなく、14年に山形県で自殺し、生命保険で従業員の給料を払った読売新聞販売店の男性や、同じく14年に群馬県で自殺した30代の男性、また15年に大阪で毎日新聞と裁判で争いながら練炭自殺した男性の話など、数多くの販売店主の自殺を詳細に紹介。そこで新聞販売店を苦しめる存在として取り上げられたのが「押し紙」の存在だった。

■業界に蔓延する押し紙は広告詐欺か?読者データ改ざんも

 各地の販売店は新聞を発行する本社から、読者の数より多い部数の新聞を買い取らされている。つまり実際には購読されないのに印刷し、「配ったこと」として計算される新聞、それが「押し紙」である。

 新聞社はそうして水増した「送り部数」に応じた広告費をクライアントから詐取してきた。また販売店も「配った数 × 折り込みチラシ単価」で利益を得るため黙認せざるをえないという事情もあった。しかも悪質なのは、発行部数を調査する業界団体「日本ABC協会」も調査日前に新聞社にどの販売店を公査するか通告し、販売店がパソコンのデータ改ざんをするのも常習化しているのだという。

 だが、ここ数年は新聞の購読者自体が激減。押し紙ばかりが増える状況が続き、販売店の損害が大きくなり経営を圧迫していた。前出の日経本社での焼身自殺は、この押し紙問題への抗議の一面があったようだ。

 週刊新潮(新潮社/2016年4月28日号)が報じたところによれば、押し紙の比率が「朝日30%、読売40%、日経20%、産経26%、毎日74%」の販売店まであるという。同問題を調査している小坪しんや行橋市議も「沖縄2紙は押し紙が5割近く」としている。新聞社の広告主だけでなく、読者をも欺き、広告収入を詐取する新聞社に、政治家の収賄や企業の不正を問う権利はあるのか。冒頭の火事が、経営苦を理由にした自殺でないことを祈りたい。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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