恒星間天体「オウムアムア(Oumuamua)」の謎。惑星との激しい衝突により制御不能な回転をしていることが判明(オーストラリア研究)
昨年発見され話題を呼んだ、恒星間天体「オウムアウア」は史上初めて確認された太陽系外から飛来してきた天体である。
形状は葉巻に似ており、宇宙人の探査機ではとの憶測が流れたこともある。
オウムアウアは一般的な小惑星と異なりを見せており、太陽を周期的に回転しているわけではなく、無軌道で極端な双曲線を描いている。
その謎が今回判明したようだ。微惑星と衝突し、星間宇宙にはじき出された可能性が高いという。
・オウムアウアは過去に微惑星との衝突があった
北アイルランド、クイーンズ大学ベルファストのフレーザー博士は次のように説明する。
我々のモデリングは、この回転が内部ストレスによって通常のものに戻るまでに、数十億から数千億年続くだろうと示唆しています。
その原因は不明ですが、同じ星系内にあった微惑星と衝突し、星間宇宙にはじき出されたことが原因ではないかと推測されます。
つまり葉巻のような細長い形状以外にも、その起源が他の星の周囲にあり、激しい過去とそれによって無軌道な回転をしていることが判明したわけです
専門家は以前からオウムアウアの色測定の結果がまちまちであることに首を傾げていた。しかしフレーザー博士の研究によって、表面にむらがあり、概ね赤い色をした長い面が地球に向けられていたことが明らかにされた。
一方、オウムアウアの残りの部分は汚れた雪のようなニュートラルな色だ。
表面のほとんどはニュートラルに反射しますが、長い面の一面は概ね赤です。ここからこの大きさの天体としては珍しいほどバラエティ豊かな組成をしていることが推測されますとフレーザー博士。
・恒星系からはじき出されて、恒星間宇宙を漂っている
イギリス、ハートフォードシャー大学のファボ・フェン(Fabo Feng)博士は、その起源を突き止めたかもしれないと主張する。
天体の動きを再現した結果、オウムアウアは若い星々の集まる付近のプレアデス移動グループ(Pleiades moving group)からやってきたのではと示唆されました。
元々いた恒星系からはじき出されて、恒星間宇宙を漂うことになったようです
オウムアウアは太陽系で初めて発見された外来天体で、どれほどの期間彷徨い続けているのかはまだ分かっていない。その移動速度はおよそ時速95,000キロである。
フェン博士のシミュレーションによれば、16光年の距離を移動し、その間109の星々を通過した。そのうち5つはプレアデス移動グループのものだ。
移動速度は銀河にあるほとんどの天体に比べるとかなり遅い。似たような天体なら年月とともに加速する可能性が高いため、オウムアウアは非常に若く、それほど遠い距離を移動していないと推測される。
なおオウムアウアはこれまで発見された唯一の恒星間天体であるが、見つかっていない類似の天体は無数に存在するだろうとフェン博士は考えている。
References:qub / news.sky/ a href="https://www.express.co.uk/news/science/918132/Alien-Oumuamua-asteroid-space-NASA-Stephen-Hawking-Queen-s-University-news-latest" target="_blank" title=""expressなど / written by hiroching / edited by parumo