玉木正之のスポーツ内憂内患「暴行『隠蔽』親方が新理事に承認でいいのか!」 (2/2ページ)
が、はたして暴行事件の民事訴訟で訴えられている親方や、暴行事件の隠蔽を要請した親方たちが、新理事として承認されていいものか?
角界の暴行事件に関しては、林文科大臣も「過去に遡ってすべて調査するよう」指示したのだから、もちろん調査を開始し、結果を報告しなければならないが、その執行部に事件の当事者(加害者側の人物)がいていいのだろうか?
また日馬富士暴行事件に関しては、現執行部に提出された危機管理委員会の最終報告によれば、貴ノ岩に対して「こら、おまえは何様だ」と日馬富士が面罵し、リモコンで殴ったところを白鵬が止めに入ったとなっている。が、貴乃花親方の文書では、日馬富士が「何様なんだ、殺してやろうか」と言った後リモコンで殴り、アイスピックを手にしたところで白鵬が止めた、となっている。
現在貴ノ岩はモンゴルで人気の高い日馬富士を引退に追いやったとして非難されているとも聞く。ならば彼の名誉回復のためにも再調査が必要と思われる。が、八角理事長以下、現体制と同様の新体制で、それができるだろうか?
八角理事長は、林文科大臣の指示を受け、全力士、全関係者に、暴力問題に関するアンケートを実施するという。が、その中間報告は夏頃で、最終報告は秋になるという。なんとも危機感のない、のんびりしたスケジュールだが、彼らを取材し、追及すべき新聞記者たちも相撲記者クラブに所属する協会の一員(会友)であることを思うと、相撲界の「改革」など程遠い。が、親方衆も相撲ジャーナリストも、暴行事件で取り返しのできない被害を受けた被害者が存在していることを忘れないでほしい。
玉木正之