玉木正之のスポーツ内憂内患「暴行『隠蔽』親方が新理事に承認でいいのか!」 (1/2ページ)
前回の本欄の末尾に、私はこう書いた。〈もはや相撲協会を信頼している人など誰もいない。その信頼を取り戻すことが急務だと、「新理事」たちはわかっているのだろうか?〉
ところが、のれんに腕押し。ぬかに釘。親方衆による理事候補選挙の結果を見て、腹の底からガッカリした。
過去の酷い暴行事件が発覚した春日野部屋の親方が理事候補に当選。おまけに日馬富士の貴ノ岩に対する暴行事件に関して、「内々で済む話だろう」と言い、隠蔽の圧力があったと貴乃花親方が文書で訴えた八角理事長、尾車理事、鏡山理事、春日野理事の4人の親方は再選。
一方、貴乃花親方は2票しか獲得できず落選。結局、角界で起きた暴行事件に対して反省しているようには見えず、隠蔽体質を推進しているようにも思える八角理事長をトップとした現執行部体制が、親方衆によって承認された結果となった。相撲協会は大山鳴動して鼠一匹(一連の暴行事件の中で、白鵬の張り手と肘打ちもどきのかちあげも取りあげられ、それを横綱らしくないとした横綱審議会の見解を執行部も黙認しただけ)に終わりそうだ。
貴乃花親方にも問題がないわけではなかった。いくら現執行部に対して対立しているとはいえ、彼の頑なすぎる太々しい態度はやはり不快感を催すもので、多くの親方衆が彼に投票するのをためらっただろう。
その結果、出羽海、二所ノ関、伊勢ケ浜、時津風、高砂の各一門による「締め付け」(「隠れ貴乃花派」の若い親方衆へ圧力=離反した場合の復讐?)も効果を発揮したに違いない。
さらに4人の立候補者のうち3人が選ばれた(花籠、井筒、藤島)副理事候補の選挙でも、貴乃花親方に最も近い錣山親方が落選。
結局、「改革派」と目される貴乃花一門からは、阿武松親方一人が理事候補に選ばれただけに終わった。
この結果を受けて、来月(3月)26日に開かれる評議員会の承認を受ければ、新理事による新指導体制が生まれることになる。