秋津壽男“どっち?”の健康学「甘い食べ物は糖尿病になりやすいって本当?食べ物の成分を意識して食べすぎに注意すべし」 (2/2ページ)

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 つまり、糖尿病になるのは甘いものの食べすぎではなく、糖質の多い現代人の食習慣が糖尿病を招いているのです。

 御飯やパンなどの炭水化物をよく食べることに加えて、よくかまずに食べる、食べるのが早い、ふだんあまり運動をしないなどが糖尿病になりやすい生活習慣です。さらに、厚生労働省が指導しているメタボについても糖尿病予備軍となるのです。腹回りが85センチ以上、BMI(体重÷身長の二乗)25以上が当てはまる人は十分に糖尿病予備軍です。ちなみに糖尿病は脳梗塞や認知症、網膜症、歯周病、がん、狭心症、骨粗鬆症、勃起障害などさまざまな合併症を引き起こします。たかが糖尿病と軽く考えず、自分の体型と今一度向き合うことをオススメします。

 糖尿病患者が覚えてほしい数値にGI値(グリセミック・インデックス)があります。この数値が高い食べ物ほど血糖値の上昇スピードが速くなり、糖尿病の大敵となります。逆に低いと体内でゆっくり吸収されるため、糖尿病のリスクを軽減する食べ物となります。

 炭水化物のほか、ドライフルーツやフルーツジュース、ビールや日本酒、米菓子やスナック類、清涼飲料水などはGI値が高く、野菜でもにんじんやかぼちゃ、とうもろこしなどは避けてください。逆にキノコ類や玄米、卵、こんにゃく、豆腐、納豆、油揚げ、カニ、エビ、イカ、肉類、白菜、ネギ、なす、きゅうり、枝豆などの野菜類、焼酎、コーヒーや紅茶(砂糖なし)は、糖尿病でも安心できる食品です。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「甘い食べ物は糖尿病になりやすいって本当?食べ物の成分を意識して食べすぎに注意すべし」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 3/8号“どっち?”の健康学秋津壽男インスリン糖尿病カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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