ニッポンの「超大作映画」秘史が全部わかる!<直撃2・“ミスター超大作”佐藤純彌監督の回顧録> (2/2ページ)
全真言宗青年連盟映画製作本部が東映と連携し、200万枚の前売り券を完売させた。そのため、制作費の12億円を用意できたという。
「予算もそうだけど、真言宗から2人の若い人が指導についてくれて、宗教という特殊な設定ながら、すごくスムーズにやれた。それに、中国で大ロケーションをやったんだけど、これも中国のコーディネーターがいい場所を見つけてきてくれて。非常に協力的で助かったよ」
こうした経験が、中国を舞台にした「敦煌」(88年、東宝)や、ロシアを舞台にした「おろしや国酔夢譚」(92年、東宝)にも生かされることになる。
そして佐藤監督は、戦争映画の「男たちの大和/YAMATO」(05年、東映)でも制作費25億円という破格のプロジェクトに挑む。70歳を超えていたが、興行収入は同年1位の50億円を上げ、みごと“ミスター超大作”の面目躍如となった。